4章 傀儡少女に死ねよとて ページ31
.
「気が付いたら黒い男に殺されそうになっていた、と」
"森鴎外"と名乗った彼は、私の手を見つめながらそう呟いた
切れた左腕はポッカリと穴が開き、中はプラスチックの冷たい無機質な感触になっている
しかし外側は、何ら人間と変わらない二の腕のまま
『……』
私が人の体じゃないことを体現するその傷に対して、何も思わない訳は無い
だから腕を切られて以来、あまり見ないようにしてきたのに
『そんなに、面白いですか?』
「以前の君は怪我をしても、すぐ替えの人形に移ってしまってね
私の様な医者の端くれには……とても興味深い」
『……そうですか』
こんなに舐め回す様に診られたら、もう何とも言えない
もう本当にこのヒトは何なんだ。今の所変態ってコトしか解んないんですけど
.
数分後
「うん、有難う。コレはもう外そう」
満足したのか腕をそっとベッドに置き、彼は私の鎖を解き始めた
カチャカチャと南京錠と鎖が擦れる音がして、呆気なく毛布の上にソレは落ちる
『……今度は森さんの番ですよ』
「勿論、腕を見せてくれたら話す約束だからね」
右手の動作に問題がない事を確認して、彼に体を向けた
今迄の経緯も洗いざらい話したんだ。ちゃんと関係を教えてもらわなきゃ、割に合わない
彼は私の座るベッドに腰掛けて、私に笑みを向けた
途端に背中を寒気に似た何かが走り抜ける。笑っただけなのに、何故だろうか
このヒトの笑顔は、怖い
「さて、何から知りたいのかな?」
『……まずは貴方と私の関係から、教えてください』
矢張りそれからか。と、溜息をついて彼は口を開いた
.
「君は──────ポートマフィアの人間だよ」
『……え』
ポートマフィア
国木田さんが、何度も私に注意しろと言った組織の名前
幼子も青年も老人も……全員、容赦せず殺すという、非合法組織
そして、私の首を跳ね飛ばした男が属する組織
.
「そしてAちゃんと私の関係は」
「"ポートマフィアの首領"と"その男に買われた人間"、かな」
.
353人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
めろんぱん(プロフ) - よしなさん» ありがとうございます! (2019年1月2日 23時) (レス) id: 0025d5f8f2 (このIDを非表示/違反報告)
よしな - とっても面白いですね!正月時で忙しいとは思いますが更新頑張って下さい!とても楽しみにしております! (2019年1月1日 20時) (レス) id: 383b340c0d (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - Rei@すいオレ,さん» ありがとうございます! (2018年12月31日 22時) (レス) id: 0025d5f8f2 (このIDを非表示/違反報告)
Rei@すいオレ,(プロフ) - 更新頑張って下さい!! (2018年12月31日 18時) (レス) id: f1f3cb152e (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - 家から出たくない主義さん» ありがとうございます!頑張ります|ω´) (2018年12月30日 18時) (レス) id: 0025d5f8f2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:めろんぱん | 作成日時:2018年12月28日 17時