1章 現実は小説より奇なり ページ4
.
「首がこんなに綺麗に飛ぶなんて、普通の刃物では有り得ない
恐らく彼が殺したんだろう」
「あ、芥川……ですか?」
「あぁ。羅生門の威力なら、首なんて小枝だろうね」
芥川って、あの黒い人の名前かな
……そもそもなんでこの人達は、私の遺体を見てこんなに冷静なの?
薄暗い路地裏に現れたこの二人組
「……与謝野先生でも、治せないんですか?」
私より少し暗い灰色の髪色の男の子と
「敦君、あの異能は死んだ人間には使えない」
茶髪に高身長の男性
"敦"さんが、私の顔にそっとハンカチを被せる
あぁ、なんだか申し訳ないな。綺麗なハンカチを汚してしまっている
申し訳ないと思っても
『……体を動かしても、スグに落ちちゃうだろうな』
今の私じゃ、何も出来ないのは……少し悲しい
.
「敦くん、軍警に通報してもらえるかな?今日、携帯を忘れてしまってね」
「……分かりました」
彼は少し古い携帯を握りしめて、少し明るい向こうへ走っていった
残されたのは、私と彼のふたりだけ
「可哀想に、ね」
儚げな横顔の彼は、静かに私の遺体に手を伸ばす
私の頬に、包帯が巻かれた指が触れた
その手はとても優しく、割れ物を触るようで。
─────────しかし
.
「これは……」
『─────消え、た?』
.
353人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
めろんぱん(プロフ) - よしなさん» ありがとうございます! (2019年1月2日 23時) (レス) id: 0025d5f8f2 (このIDを非表示/違反報告)
よしな - とっても面白いですね!正月時で忙しいとは思いますが更新頑張って下さい!とても楽しみにしております! (2019年1月1日 20時) (レス) id: 383b340c0d (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - Rei@すいオレ,さん» ありがとうございます! (2018年12月31日 22時) (レス) id: 0025d5f8f2 (このIDを非表示/違反報告)
Rei@すいオレ,(プロフ) - 更新頑張って下さい!! (2018年12月31日 18時) (レス) id: f1f3cb152e (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - 家から出たくない主義さん» ありがとうございます!頑張ります|ω´) (2018年12月30日 18時) (レス) id: 0025d5f8f2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:めろんぱん | 作成日時:2018年12月28日 17時