3章 人形に接吻を ページ25
.
「随分と大人びていると思っていたけれど、可愛い所も有るんだね……プフッ」
『笑うなら笑えばいいじゃないですか。唐変木さん』
容赦無い乱歩さんによる暴露大会から早くも十分。私は、未だに笑い続ける彼に殺意が止まらない。
是非1発お見舞いしてあげたい所だけれど、
「良いのかな?また消えてしまうかもよ?」
私が今彼に触ると如何なるか分からない以上は何も出来ないのが現状である
あと、このヒトがわざわざ私の右側にたっているのもある。
短くなった右手は、彼に勿論届かない
「人形に接吻なんて……随分ロマンティックな事を……ふふ」
マジで、本気で、ウザイ
.
ベージュの背広のズボンをくいっと引いた
彼は高身長の為少し屈んでくれた
アレとは違う、いい人だ
『……国木田さん、抱っこしてください』
「は?別に構わんが……」
彼の大きな手が私を抱き寄せると、一気に視線が高くなった
丁度私と太宰さんの目線が同じくらいにある
無駄に整った顔が目の前に来ているけど
「ん?如何したのかな?」
正直、腹が立つ
.
……深く、深く息を吐く
恐らくまた戻れるだろうし、今は私の感情に正直に行こうじゃないか
小さな掌を強く握りしめた
一度さようなら、私の体
『太宰さんの』
「……A、おまえ真逆」
国木田さんの制止なんて、知らない
『莫迦ァ!阿呆!唐変木!』
「ごふっ」
私の拳が太宰さんの鼻に、めり込んだ
途端に私の体を襲う浮遊感
「ゔっ、地味に痛い…」
けれどそれすらも、彼が痛がる姿でチャラだ
.
353人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
めろんぱん(プロフ) - よしなさん» ありがとうございます! (2019年1月2日 23時) (レス) id: 0025d5f8f2 (このIDを非表示/違反報告)
よしな - とっても面白いですね!正月時で忙しいとは思いますが更新頑張って下さい!とても楽しみにしております! (2019年1月1日 20時) (レス) id: 383b340c0d (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - Rei@すいオレ,さん» ありがとうございます! (2018年12月31日 22時) (レス) id: 0025d5f8f2 (このIDを非表示/違反報告)
Rei@すいオレ,(プロフ) - 更新頑張って下さい!! (2018年12月31日 18時) (レス) id: f1f3cb152e (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - 家から出たくない主義さん» ありがとうございます!頑張ります|ω´) (2018年12月30日 18時) (レス) id: 0025d5f8f2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:めろんぱん | 作成日時:2018年12月28日 17時