3章 人形に接吻を ページ20
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翌日、早朝
『"おはよう、ナオミさん"』
「おはようございます、Aちゃん」
朝日に反射して黒い瞳が煌めいた
艶やかな黒髪に色気のある瞳、あとは真新しい桃色のエプロン。その姿はまるで新妻みたい
昨日彼女の愛情を垣間見たから、口には出せないけど
あ、私が口に出しても別に伝わらないか
「兄様ったら、今日はお寝坊なんです。全くもう……」
隣の部屋の電気、丑三つ時まで付いてましたよね。原因はそれなのでは?
かといって書くのも億劫なので、ペンをくるくる回しながら彼の寝室を覗いてみた
「すぅ……すぅ……」
これは彼女が手を出すまで、何もしなくていいや
絶対その時には起きるよね
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「お粗末さまでした
さて……これ、如何しましょう」
ナオミさんは手際よく作ったトーストと目玉焼きを食べた後、何処からか箱を取り出した
……古い木箱?
今日はプラごみの日だった気がする。カレンダーで見た
『"これ、何が入ってるんですか?"』
「昔、私が使っていた玩具です。もう使わないので……如何しようかと」
ぱかっと開いた箱の中身は、お菓子のオマケに付いてくるような指環や、古びた神紐
女の子の玩具ばかりの中に車が混ざっていたりするから、多分お下がりもある
つい前のめりになって見ていると、小さな電子音が聞こえた
……谷崎さんの、部屋から
「ふふ。兄様、起こしてきますね」
ごゆっくり、ナオミさん。苛めるのも程々にね
私は視線を木箱の中に戻す
ぎっしり詰まった玩具をちまちま出していく
『……金色の、糸?』
赤い神紐と積み木の合間から見える金の糸の束
なんだか気になってしまう。私は玩具を掻き分けて、金糸の持ち主を持ち上げた
『これって……セルロイド人形、だよね』
私の透けた手の中で……蒼いシールの瞳が、光った気がした
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めろんぱん(プロフ) - よしなさん» ありがとうございます! (2019年1月2日 23時) (レス) id: 0025d5f8f2 (このIDを非表示/違反報告)
よしな - とっても面白いですね!正月時で忙しいとは思いますが更新頑張って下さい!とても楽しみにしております! (2019年1月1日 20時) (レス) id: 383b340c0d (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - Rei@すいオレ,さん» ありがとうございます! (2018年12月31日 22時) (レス) id: 0025d5f8f2 (このIDを非表示/違反報告)
Rei@すいオレ,(プロフ) - 更新頑張って下さい!! (2018年12月31日 18時) (レス) id: f1f3cb152e (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - 家から出たくない主義さん» ありがとうございます!頑張ります|ω´) (2018年12月30日 18時) (レス) id: 0025d5f8f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めろんぱん | 作成日時:2018年12月28日 17時