3 .人間と獣、そして黒猫 ページ4
リゾットを食べながら、人間が聞いてきた。
ﾕｳ「先輩の名前はなんて言うんですか?」
ああ、そういえばそうだね。
まだ名前を言ってなかったか。
A『………A·ノエル』
ﾕｳ「A、さん………?いい名前ですね!!」
いい名前、か
普通に褒められることもないのに
ｸﾞﾘﾑ「ごちそうさまなんだぞ!!特別に、子分にしてやってもいいんだぞ!!」
A『………………』
まあずいぶん愉快になりそうね
食べ終わり空になった皿を持ち、ソファーから立ち上がった。
ﾕｳ「あ、Aさん!!もう行っちゃうんですか!?」
A『……………』ｺｸﾝ
肯定するため、小さくうなずいた。
ﾕｳ「ご飯美味しかったです!ありがとうございました!!」
ああ、このコはどれだけいいこなんだ
逆に心配だ
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おんぼろ寮一階の一番奥の部屋
それが私の居場所だ
私の居場所は沢山あった、はずだ
入学直後は、まだあった
でもだんだん、妙な噂を聞くようになった
「聞いたか?あの黒猫、ひどいんだ」
「ああ、聞いた聞いた………あの噂」
「「あの黒猫、元いじめっこらしいな」」
と、
これを期に根も葉もない噂が次々と
いち、にい、さん、しい、十個目から数えるのをやめた
それから約一年間、“いじめずいじめられず”を続けてきた
その間、誰とも口を聞かなかった
誰とも目を合わせなかった
誰にも触れなかった
何にも感じなかった
だから私のことを純粋に見つめるあの瞳が新鮮に感じた
不思議だった
だからあのコになら話してもいいかなって、ガラにもなく思ってしまった
あのコとの縁は、切ってはいけない気がする
本能的にそう思った
続く (更新停止中)
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作者名：猫飴ﾈｺｱﾒ | 作成日時：2021年11月1日 20時
