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自慢と嫉妬 ページ6

帰路に着いたゴーゴリは、楽しそうにフョードルの顔を覗き込んだ。一瞬顔を顰めたが、溜息を一つ吐き出してから「何か楽しいことでもありましたか」と訊いた。
「あ、分かっちゃった?」と、ニコニコしている彼に半ば呆れながら「何時もそんなことを云ってるじゃないですか」と返すフョードル。
笑っているゴーゴリを嗜め、フョードルは話を促した。
「話すから、急かさないでよドス君!えーとね、凄い綺麗な女の子が居たんだけどね、僕が現れた頃には男が...5〜6人、だったかな…男の亡骸があったんだよ〜其の女の子凄くない!?」
余程興味が湧いたのか、興奮気味のゴーゴリとは反し「そうですか」とあまり興味の無さそうに返すフョードルだったが、次の一言で反応した。
「其の女の子の名前は、白夜Aって言うんだ!」
白夜Aという、発せられた人名に彼の動きは止まった。先程も、カフェで話していたあの子が...?男性5〜6人を一人で如何にか出来る筈が無いのでは…?
爪を齧りながら、考えを巡らせていると何時の間にかゴーゴリが顔を覗き込んでいた。
「おーい、ドス君?如何したの?」
「男性達は、どの様に殺害されていましたか…!?」
突然距離を詰められ、ゴーゴリは動揺したが暫く考え込んだ後、答えた「そこ迄は見てないよ、今から見に行く?多分もう事件になってると思うし!」
彼の言葉に、フョードルは頷いた。
現場に行くと、彼の云っていた通り既に事件として扱われて居た。男達の亡骸を見たフョードルは、目を細める。
「...ゴーゴリさん、帰りますよ」
「え、もう?」と、ゴーゴリは驚いた様子だったがフョードルについていく。
「...矢張り、彼女が異能者である事は間違い無かったようです。如何云った異能かは判りませんが。」
「Aちゃんが、異能者...?」彼は少し嬉しそうにフョードルに訊き返した。
「えぇ、何らかの異能を持って居ます」
突然ゴーゴリはふと思い出したことを口にした。
「あ!そう云えば、Aちゃんに僕の名前を呼んでくれて凄い嬉しかったんだよね!」
フョードルの動きがピタッと止まった。
急に止まった事でゴーゴリが「あたっ!」と間抜けな声を出してぶつかってしまった。
「ドス君、急に止まんな…...、っ!?」
ゴーゴリは、フョードルの顔を見るなり言葉を失った。其の理由は、フョードルが拗ねて居たからだ。
「狡いです...」
そそくさと歩いて行く彼の背中にゴーゴリは目を丸くして呟いた。
「ドス君の嫉妬、初めて見た...」

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猫袮(プロフ) - 朱鷺の砂さん» ありがとうございます! (2018年9月16日 10時) (レス) id: ee976ad875 (このIDを非表示/違反報告)
朱鷺の砂 - すごく面白いです!続きが気になります!更新頑張ってください…応援してます!! (2018年9月8日 21時) (レス) id: c2940fbcc7 (このIDを非表示/違反報告)
猫袮(プロフ) - Tsuki☆さん» マジすか、有難う御座います(´;ω;`) (2018年8月29日 17時) (レス) id: ee976ad875 (このIDを非表示/違反報告)
Tsuki☆(プロフ) - ひぇぇ、ゴードス可愛い有難うございます(´;ω;`) (2018年8月29日 16時) (レス) id: 36c9c3900e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:猫袮 | 作成日時:2018年7月17日 21時

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