【HQ】ヘーゼル色の光【夜久衛輔】

＊10-1. ページ45

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「───────中間テスト、終了……ッッ」

物理基礎と初めて分かり合えた(？)勉強会が過ぎた数日後の本日。2日間に分けて行われた中間テストは最後である現代文のテストをもって終わりを告げる。重く響くチャイムの音と、一喜一憂するクラスメイトの大人しい反応、そしてテスト用紙を回収する時に訪れる紙が重なる乾いた音が、教室内をささやかに震わせる。
その音の中、午前中でテストが終わるため、午後はどっぷり部活の時間であると次の予定を脳内で展開していた。

「終わった……テスト終わった……」

テストが終わった後の解放感、とりわけ好きな私です。
学生の本分は青春でも遊びでもなく、やはりどう足掻いても勉強だ。それが出来ているか否かを確かめるテストへ向けて勉強して(という名の、勉強詰め込んでどうにか帳尻合わせて評価を狙いに行ってるのが、正直なところである。授業はノートとったり睡魔と戦ったりの時間になってしまっているんだ。悪いか。)、ヤマを張っていた問題や自分が注視していた部分がテストで出題されると、たとえどんなに授業で睡魔と戦っていたとしても、してやったりというような心地になるのだ。その瞬間が、たまらなく好きだ。

「──────Aお疲れ！テストどうだったか？」

終礼の準備のため、各々通学カバンやその他の荷物を取りに教室後方にあるスクールロッカーへ足を運ぶと、反対方向から衛輔が笑顔で自分の近くへ訪れてくれる。夏生まれということもあってか、まるで向日葵のような明るい笑顔を浮かべて自分に尋ねてくれているのを見る限り、今回のテストは手応えがあるようだ。

(少しでも私が教えられたところが役に立ってくれてるかな、)
数日前の勉強会であった、教え教えられの時間を脳内で振り返りながら、衛輔が投げてくれた言葉にきちんとお返しをする。

「衛輔もお疲れ様！いやぁ、勉強会の効果が絶大すぎる。点数見なくても分かる、今まで1番点数取れてる自信しかない」
「マジか、流石だな！元々Aは成績良い方なのに、今まで以上に自信があるなんて、どんな成績叩き出すつもりだよ」
「そういう衛輔も文武両道で頭良いじゃん。沢山教えてもらった数学と化学基礎、あと物理基礎も！本当に助かったよ。ありがと」
「ん。役に立てたようで良かった。俺こそ英語と世界史助かったわ、サンキューな」

＊10-2.→←＊9-6.

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