【HQ】ヘーゼル色の光【夜久衛輔】

＊2-3. ページ13

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「──────大丈夫か！？」

ボールを天井高く飛ばしてくれた彼…夜久は、振り返りながらそう私に問いかけてくれた。

「ぁ………、くひぇ…………」
「っ！！雪月！？」

どうやら自分が思っていた以上に、ボールに対して身構えていたらしい。夜久の声に安心してしまったのか、急に足の力が抜けてその場に情けなくへたりこんだ。私がへたりこんだせいか、夜久以外の部員もこっちにバタバタと向かってきているような音がした。

「あはは……思ってたよりボールが来るのに対して身構えちゃってたみたい」
「そりゃそうだろ！急にあんなボールが飛んできたら誰だって驚くに決まってる！」

当たり前のように、私の目線に合わせてしゃがんでくれて、そして手を差し伸べてくれる君。
『何だこの漫画みたいな展開は』ってさっきの発言、今すぐに撤回しよう。何だこの少女漫画みたいな展開は。

「立てるか？」
「っ。うん、ありがとう」

サラリと出てくるこの気遣い。
しゃがんでくれたり手を差し伸べてくれたり、更には今の発言で、夜久は人のために自分が出来ることをやろうとしてくれる面倒見のいい性格なのだと改めて知る。
元々クラスメイトと話していたりとか今の今までの行動とかを見てて、しっかりしてるってのは分かっていた。けどこうもその対象が自分となるだけで解像度が高くなるものなのかと心のどこかで呟いてしまう。

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