#3 入学式(3) ページ3
「佐藤さん、鈴木さん。今まで何してたんですか?」
「道に迷ってました」
妥当な返事だろう。嘘はついていない。
「迷う……?」
「……あ〜……アタシ、この子と仲良いんですケド〜、ほんとに方向音痴でダメなんですよねぇ」
意味がわからないと眉を顰める担任に、見兼ねた鈴木がフォローの為に声を上げた。
「……まぁ、いいでしょう。早く席に着いて。話の続けます」
事実私達は新入生だし、先生もあまり深く聞くと面倒だと悟ったのだろう。
トゲトゲしく席に着けと促すと、話の続きを始めた。
・・・
それではこれで終わりです、と担任が教室を出ていったのを確認して、周りがザワザワと話し始める。
私たちが道に迷っている(暗喩)間に知らず知らずのうちにある程度のクラスコミュニティが形成されていたようだった。
「やっと帰れるね」
「話なげ〜……」
「初日に目ェつけられた感ある」
「それな。マジ後半何回も同じ話繰り返してたの当てつけにしか感じなかった」
前科があるせいか、わざとらしく思うほどに長い担任の話に疲弊していた鈴木の脇を軽く小突く。
「うわ、何?」
「ライン教えて」
「お、おお……」
急だな……と独りごちながらも鈴木はラインのQRコードを表示したスマホの画面を私に差し出した。
それを片手間に読み取りながら、次荒北さんに会った時。なんと話しかけたものかと思いを巡らせた。
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しばた - 続きお願いします! (7月18日 16時) (レス) @page33 id: 1b4d124720 (このIDを非表示/違反報告)
敏腕プロデューサー(プロフ) - ひー&ラテさん» 何故かまた閲覧数が伸びてきているのでやれるだけやってみます……(. . `) (2021年8月12日 17時) (レス) id: fcb79e9045 (このIDを非表示/違反報告)
ひー&ラテ - 続きが凄く気になります! (2021年8月12日 8時) (レス) id: fe37a82818 (このIDを非表示/違反報告)
敏腕プロデューサー(プロフ) - 桜音姫さん» 楽しみにしてくださっていたのに大変申し訳ございません……(. . `) (2021年8月12日 4時) (レス) id: fcb79e9045 (このIDを非表示/違反報告)
桜音姫(プロフ) - もう少しで完結しそうなので完結までいってほしかったのですが残念です(^_^;) (2021年8月11日 19時) (レス) id: 3bb8706b83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鳥居巫女 | 作成日時:2020年2月12日 2時