13話 国法改正 ページ15
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翌日。
閑静な城下町の元、Neid Angelはスタンバイをしていた。
東から登る日が建物を覆い尽くす。だが光があれば闇もある。
建物の影に座り身を潜めている。
『ご清聴されよ』
使いの者の声が国全体に張り巡らされたスピーカーから響く。
「…来ますよ」
レイはすす汚れた服の国民達を見ながらゆっくりと目を細めた。
『皆の者!!日々の努め御苦労である。』
よくあるスピーチの始まり。
『この国の繁栄望む国民へ向けて今日から国法を改正する。しかと聞くように。』
『ハニメ王国の消費税税率を10%から50%に引き上げする!!これは国の繁栄に必要な事だ。では、これからも精進したまえ』
「何ですか…この国は…」
「国王万歳!」「国王万歳!」「国王万歳!」「………なっ」「国王万歳!」「国王万歳!」「国王万歳!」「国の繁栄を!!」「そんな…」「ママ、これはいいことなの?」「何てことだ…」「嘘だろ…」「オギャー!!」
耳を劈く声。
「こんなの…こんなのおかしいですよ!!」
レイは壁に手を付き必死にミクオ達に訴える。
「うわ、ミクオすげぇなお前こんなに☆5持ってんのかよ気持ち悪りぃ」
「しゃーないしゃーない。ちまちまやってりゃこうなるのは必然だよぉ」
ミクオとアクアはオープン前の酒場の入口の段差でソーシャルゲームを嗜んでいた。
「全然聞いてないよこいつら」
ユーカリもアルも指を刺して呆れている。
「こら二人とも!!!国の一大事になにやってんですか!?」
「「スマホゲー」」
「あぁそうですね正にその通りですねッ!!!!……で、そんな余裕って事はこの城を落とす策があるってことですね?ミクオさん」
作戦では城内に侵入して引っ掻き回すのはミクオである。と言ってもほぼ〘不死身〙の身なのでどのくらいか兵の数が分からない場合が多い為いつもの事であるが…
「あぁ、うん!ちゃんとか決めてあるよ〜。後はとりあえず入れれば良いかなぁ☆」
「それはまぁ舞踏会に安全に入場すれば楽だと思いますが…どうするおつもりで?」
レイはミクオの余裕な表情が憎たらしくつい問を投げてみた。
が。
それが後に仇となることを彼は知らなかった。
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作者名:ミミック | 作者ホームページ:https://twitter.com/neidangel
作成日時:2016年8月16日 20時