48話 ページ48
それから時間は着々と過ぎていった
ドラコのお母様…ナルシッサさんはこんな私にもとても親切にしてくれて、不便はないかと気にかけてくれていた
因みに私はナルシッサさん相手には気が緩んであまりしっかりと演じなくなっていた
そしてドラコのお父様であるマルフォイさんも、私が思っていたより酷い人では無いような気がしてきた
それでもどこか怪しくて好きにはなれないのだけれど…
バックビークの事も話題に上げようとしても躱される
どうやって話を聞いてもらおうか…
そんなこんなで今日はドレスのサイズ合わせをしてもらう日
ナルシッサさんとドラコと一緒にドレスを売ってるお店に来た
何故かナルシッサさんはノリノリで…
ナル「これも似合うと思うわ、あとこれも…試着してみましょう」
私の瞳の色からだろうか、主にブルー系のドレスを選んでくれ、試着室に押し込まれる
１着目を来てカーテンを開く
『えっと…どう、ですかね…？』
ナル「よく似合ってるわ。ドラコ、貴方はどうかしら？」
ドラ「似合っているけど…少し露出しすぎでは？Aにはもう少し落ち着いたドレスの方が…」
二人に取り囲まれて話し合われる
正直どれでも良いけど…真剣に考えてくれてるから口を出さずにじっと待つ
すると、私の背後に来たドラコがハッと息を呑むのがわかった
背中を指先でなぞる様に触れられ驚き小さく肩が跳ねる
ドラ「A、この傷痕…あの時の…」
『えっ？あ、そうだ、忘れてた…見苦しいもの見せてしまってごめんなさい。痛みはないし傷は塞がったからうっかり…』
そういえばバックビークの爪で付いた傷の痕がまだ残ってたんだった
消えるか分からないと言われたけどあまり気にはしてない
『ドラコ、私が気にしてないのに貴方がそんな暗い顔しないで？それより、流石にこんな醜いもの見せるわけにはいかないし上手く隠れるドレスがあるといいのだけど…ドラコ、選んでくれない？』
暗い顔で俯くドラコの顔を両手で包み込むようにして無理やり上げさせ目を合わせる
にこりと微笑めば彼もまた少しぎこちなくだけど微笑み返してくれた
それから私はドラコにいい感じに背と腕の傷痕が隠れる様なドレスを選んでもらい、ドレス選びは終了した
お高いドレスを買ってもらうのは申し訳ないけど、少ししかお金が無い私にドレスを買えないし…
いつかしっかり返さないと
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作者名：葱 | 作成日時：2020年2月2日 17時
