24話 ページ24
考えていると、ついにネビルが挑戦するらしい
私達も怖いものと、それをどうやったら滑稽な姿に変えられるかを想像するようにと言われた
怖いものかぁ…私は何が怖いのだろうか…よく分からない
怖いものはないと言えるほど、強い人間ではないけれど…
まだ決まっていなかったけれど、皆は既に頭に浮かんでいるようで、そのまま練習は開始された
リーマス先生が3つ数えて箪笥の扉を開けると、中からはセブルス先生に扮したボガートが現れた
匂いやら気配やらは当たり前だけどセブルス先生では無いため、見た目との相違でちょっと気持ち悪い
ネビルが「リディクラス！」と唱えると、ボガートは途端にネビルのお祖母様の服を着たセブルス先生へと変わった
『ふふ、セブルス先生可愛い』
これには耐えきれずに私も皆と一緒になって笑ってしまった
それからどんどん順番は近づいてくる
私はロンの後ろ、ハリーの前に並んでいる
ロンの番が来ると、ボガートは大きな蜘蛛になった
それをロンが足を消してゴロゴロと転がせた
そして、ついに、私の番だ
何に変わるのだろうかと、怖さ半分、楽しみ半分で杖を構えながら見る
利き手じゃない方で構えているけど…杖は左手に合わせてくれているようで違和感は少なかった
私の方を向いたボガートが変身したのは…
お母様だった
『違う、違う、お母様じゃない…お母様はもっと優しい顔をしていた…そんな、そんな風に私を見ないで…』
酷く恐ろしい、醜い顔をしたお母様らしき人間に変身したボガートをじっと見て立ち尽くしていると、リーマス先生が止めようとしているのが分かった
慌てて私は「リディクラス」と静かに唱えた
するとボガートは姿を変え、何故かさっきネビルが変えたセブルス先生(女装ver.)になっていた
私が面白いと思っていたからかな？
恐怖やら怒りやら、そういった感情がふっと消えて、私は再びセブルス先生のおかげで笑顔に戻れた
周りの皆も私と同様に少し混乱していたようだけど、それでも一緒に笑ってくれた
そして次はハリーの番だ
ハリーの怖いものかぁ…危ないことにならなければいいけど…
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作者名：葱 | 作成日時：2020年2月2日 17時
