自然天然森ガール？～不死鳥の騎士団(後編)～ (ページ29)

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6話ページ29

暗い空間の中でマルフォイ家の美味しい食事をいただいた

ヴォルデモート卿の近くに座らせられそうになったのをスルーしてしれっとドラコの隣に座った

周りも子供同士だからと恐らく納得してくれたのだろう、何も言われなかった

そう言えば、ヴォルデモート卿食べてた？

興味なくて見てなかったけど…

それはともかく、早いとこ帰ってもいいか聞かないと

それと情報を提供してくれる気があるのかも聞こう

『ヴォルデモート卿、少しお話があるのだけれど、構いませんか？』

ヴォ「ああ、良いとも。話してみるが良い」

寛大なフリをして、彼はおおらかさを感じさせるかのように言った

二人きりで話せなそうだし…まあ、聞かれていてもいいか

『貴方は私の事をどこまで知っているの？お母様のことは？』

ヴォ「母親…あの愚かな女のことか…」

お母様を侮辱されるのは少しだけ腹が立つけれど…そんなことに構っている暇はない

『何故、お母様は愚かだと？何があったの？』

ヴォ「相手が魔法族…ましてやフローレス家の者だと知らずに結婚した…これ以上愚かなことはあるまい。己の呪われた血を知りながら、そこまで愚かな事をするとは…」

『呪われた血…？なんで、フローレス家の者と結婚したのが愚かなの…？』

ヴォ「あの女のおかげで俺様は花の愛し子を手に入れる事が出来たのだが…実に愚かしい、実の娘を恐れて生きるとは。家族の愛なぞありはしなかったということだ」

ヴォルデモート卿は楽しそうに笑っている

お母様が愚かな事をしたおかげで花の愛し子、つまり私が生まれた…

愚かな事って、何も知らずに自分が魔女だとバレるのを恐れていたこと…？

『ねえ、もっと詳しく話してほしいのだけれど…』

ヴォ「話が聞きたくばここに留まることだ。さすれば順を追って話してやろう…」

何故この人は私を繋いでおこうとするのか

イマイチ何故私が必要とされているのかもわからない

『なら、今はいいや。逆を言えば、話を聞かせてもらえない代わりに帰してくれるんでしょう？約束があるから明日には帰りますね』

話は聞きたいけれど、そんなことして皆に会う時間がなくなったりしたら嫌だもの

冷たい目に鋭く見つめられる

今更その目に怯えることなんてないのだけれど

しっかりと目を合わせて微笑んでみせる

ヴォ「…良かろう。では誰か、花の愛し子を丁重にお送りして差し上げるのだ…」

…誰も名乗りではしないだろう