自然天然森ガール？～不死鳥の騎士団(後編)～ (ページ11)

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61話ページ11

シリウスさんの傍にしゃがみ込み様子を見る

セドリックの時みたいにと言われたものの、あの時とは状況が違う

ベールについては謎だし、セドリックの時みたいに涙の石が彼を守ったわけでもない

それでもやれるだけやってみるしかない

あの時を思い出してシリウスさんの手を両手で包み込む

目を閉じ祈るようにする

『どうか力を貸して…彼を救うためにこの身を捧げ、あなた方の望むものを与えましょう。フローレスの名のもとに、我が愛するものを救いたまえ…』

意識が遠のく

自分の声も聞こえない

ただ強く強く願っていた

シリウスさんが死んでしまってはハリーが悲しむ

そんなことさせない

血がすごいスピードで体内を巡っているように感じる

全身が悲鳴を上げるように痛い

ああ、私は今日もまた、生きている

視界が閉ざされた

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リーマスside

死の間に置かれたベールに引き寄せられるように手を伸ばしたAを見て、一瞬呼吸を忘れた

恍惚としていながら、縋るようにも見えるその顔に目を奪われる

私が止めなければならなかったのに、声が出なかった

しかし、ハリーが声をかけたことで何とか現実に戻すことができたようだ

ハリーに言われた通りにシリウスに向き合う彼女を見て、今度は止めなければならないと思い、彼女の肩に触れようとした

しかし、その手は何らかの力によって弾かれてしまった

声をかけても反応がない

彼女を止めようとしている間にハリーがベラトリックス・レストレンジを追っていってしまったことにも気がつかなかった

死喰い人を捕らえ終え、全員の視線がAへと集められる

静かになった空間に彼女の歌うように紡ぐ言葉が優しく響いた

青い光が集まり、妖しく光る

光はAの体から現れているように見える

そして、シリウスの体を囲うようにして漂っていた

よくみるとAの両手は凍り付いたかのように白く染まり、指先からボロボロと崩れていきそうになっていた

このままじゃ彼女の身が危険なのでは…

そう感じながらも近づくことさえ叶わない自分が情けない

暫くすると光は淡い色へと変わり、シリウスの体へと吸い込まれていった

もしかしたら、本当に…死者を生き返らせることができるのか？

しかし、シリウスが起きることもなく、Aの体はシリウスに覆いかぶさるようにして倒れた