52話 ページ2
森に注意を向けながらも大人しく親衛隊として振る舞う
もう何だかアンブリッジに取り入る必要なんてない気がしてきた…
親衛隊なんて放ってハリーとハーマイオニーの元へ行きたい
でもそうなるとここに他の4人を残していくことになるし…
いや、先生がいないわけだし、この４人なら自力で抜け出せるのでは…？
ネビルの手を握りながら悩む
すると
突然ルークの声が聞こえた
ただ私を呼ぶだけの声じゃない…叫び声のような…
ああ、私のせいだ、森に行かせなければ…！
声からただ事ではないことを察し、私はネビルの手を離し飛び出した
ドラ「おい、A、どうしたんだ？」
皆が不思議そうに見つめてくるのを感じながらも、体は勝手に動いていた
窓から下を見下ろす
『この高さなら…いけるかな…』
ルークを助けるまでは死ねないから、しっかりと上手く着地できるようにルートを考える
いざ、窓に足を掛けそのまま身を押し出し飛び降りた
皆の叫ぶ声を背に、下の階の窓枠に足を掛け…次の足場に飛び移って…壁を手で支えながら伝い下り…
手は血だらけだけれど構わない
２階まで来るとそのまま飛び降り、軽く受け身を取って着地
そのまま森へと駆ける
森の皆がルークを傷つけるとは思えない…たとえケンタウルス達が荒れていたとしても、そんな事するとは…
ルークの気配を辿って辿り着いた先には＿＿＿＿
縄が体に絡み付き地面でもがいているルークがいた
『ルーク！』
駆け寄り魔法で縄を解く
ルークは少し縄が擦れて羽が乱れてはいるものの、特に怪我は見当たらない…良かった…
ケンタウルスじゃない…こんなことをするのは…
改めて見るとそこにはケンタウルスに持ち上げられ囲まれているアンブリッジと…同じように捕まっているハリーとハーマイオニーがいた
アン「フローレス！貴女は獣の扱いには慣れていると聞いています！この半獣達を大人しく従えさせてちょうだい！」
この人は、私を何だと思っているのか
獣を従えさせたことなんてただの一度もない
共に生き、ときには友として家族として身を寄せ合っていただけ
その結果、動物達と上手く意思疎通できるようになり、比較的良好な関係を築いているに過ぎない
まあ勿論、たとえ私がケンタウルスを従えられるとして、アンブリッジの望みを叶えることはないけれど
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作者名：葱 | 作成日時：2020年6月2日 19時
