自然天然森ガール？～不死鳥の騎士団(前編)～ (ページ14)

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14話ページ14

Aside

朝

体を起こしてまだ眠るハーマイオニーとジニーを見る

この二人は、皆は、私がヴォルデモート卿と関係があると知ったらどう思うだろうか

…きっと、怖がるか、嫌うか、完全に縁を切られるか

勿論皆を守れるなら嫌われたって構わない

でも、私は、私利私欲のためにヴォルデモート卿に力を貸す道を選んだんだ

それを忘れてはいけない

人を理由にしてはダメだ

私はやっぱり、ここに…騎士団の本部に居てはいけないだろう

騎士団のメンバーと個人的に一緒に居るのは問題なかったとしても、不死鳥の騎士団という組織の本部に留まるなんて事はきっと許されない

騎士団のメンバーの大人達には私がヴォルデモート卿と関わりを持ったという話は直ぐに伝わるだろう

そしてハリー達も何らかの方法でそれを知ることになる可能性だってある…寧ろ今までの経験からしてその可能性は高いとすら思える

そうなったら…私は皆の"敵"になるのだろうか

"味方"じゃなければ"敵"となってしまうのだろうか

……迷惑をかける前にここを出よう

私は半ば逃げとも取れる選択をした

『薬草取りに行ってきます。遠い所だし、夏休み中にここに戻る事は出来ないと思うので、また学校で。他の方々はまたいつか会えるのを楽しみにしています。何かあったら連絡をください、今度は必ずお返事書きます。』

そう、メモ書きを残して私は物音を立てず、誰にも会わずに家を出た

自分の足で行ける範囲となると結構限られちゃうけど…できる限り遠くへ行こう

まだ夜の静寂が残る街並みを、寂しさを抱えながらふらりふらりと歩いてゆく

次第に朝日が登り始めた

すると、遠くからルークが飛んでくるのが見えた

私のそばまで来ると地面におり、こちらに背を向けた

『乗せてくれるの？ありがとう、ルーク…貴方がいてくれる限りはまだ頑張れそう』

そっとルークの背に体を預けると、ゆっくりと浮上した

さあ、どこへ行こうか

薬草は本当に取りに行きたいから馴染み深い森にでも行ってみることにしよう

ちらりと先程まで居た家を名残惜しさに振り返る

自分自身の口から事実を話すのは怖い

知らぬ間に、気がついたら、周りに誰も居ないなんて事は耐えられない

それならいっそ、自らの手で…

そう思いながらも希望を捨てられずにいた

学校が始まったらまた皆と普通に話せるかもしれない

そんな淡い期待を胸に