自然天然森ガール？～炎のゴブレット(後編)～ (ページ44)

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104話ページ44

アル「ハリー・ポッターは、辛くもヴォルデモート卿の手を逃れた。自分の命を賭してセドリックを連れ帰ったのじゃ。あらゆる意味でこれほどの勇気を示した者は、そう多くはない。それ故に、わしはハリー・ポッターを讃えたい」

アルバス校長はハリーの方を向き、ゴブレットを挙げた

それに皆続く

ぼうっとしていた私はそれに乗り遅れ、気づいた時にはもう皆座った後だったけれど

でも、やっぱりハリーは凄い

自分の両親を殺して自分までもを危険な目に合わした相手を目の前にしても、無事に戻ってきたんだ

アル「続いてもう１人は、A・フローレスじゃ」

私にとって嫌な響きのファミリーネームが耳に入ってきた

なんで、私まで…？

アル「彼女もまた、自分の命にかえてでもセドリックを救おうとした。そして代表選手が無事に課題を終えたのもまた、彼女の功績が大きい。現在、セドリックは彼女のおかげで回復に向かっておる。彼女の類希なる力と、それを躊躇いなく友の為に使う勇気を讃えたい」

再び皆が立ち上がり、私に向けてゴブレットを挙げた

代表選手が無事に課題を終えたって…ハリーとセドリックは結局ヴォルデモート卿の元へ飛ばされてしまったし守れてなんかいなかったのに…

讃えられ褒められ感謝されればされるほど、自分の無力さを改めて実感して苦しくなる

私は、何も出来てない

その後の校長先生の話は何も耳に入らなかった

ハー「A、貴女大丈夫？ほら、少しでも食べなきゃ…ここ何日も全然食べてなかったでしょ？」

ハーマイオニーがそう言って食べ物を勧めてくれ、気を使ってくれたのだろう、少量の料理をお皿に盛って差し出してくれた

『ありがとう、ハーマイオニー…でも、ごめん、食欲なくって…ちょっと、もう戻って、寝るね』

目の前の皿を見つめても全く食欲はわかず、逆にその匂いに噎せ返り、吐き気まで感じた私は１人、大広間を出た

折角気を使ってくれたのに申し訳ない事をしてしまった

後でまたちゃんと謝ろう

この状態でセドリックに会いに行っても迷惑になるだろう

明日は強制的にホグワーツから追い出される日

早朝にまた様子を見ることにして、今日はもう部屋に戻ろう

誰もいない静かな寮へと戻り、明日の為に最低限の持ち物をトランクに詰め、ベッドに横たわる

私はそのまま深い深い眠りに落ちた