◇(３) ページ8
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鬼の血の匂いを辿った先で出会った男は、
穏やかな笑みを浮かべ、呪いを纏った人間だった。
「 さて、一つ話をしないかい？ 」
開け放たれた襖を境に、男と私は共に線を引く。
確実で最も有効な線。ある意味での警戒。
先ず、疑いを持つという事は大切な事だ。
「あぁ、そうだね」
「 では改めて、私は地獄の鬼神で名をAと云う。
現世...この世に鬼なる者が生まれる遥か昔から、
地獄に存在する、地獄で生まれた鬼だ。
君は鬼狩りの親で産屋敷耀哉かな？ 」
「そう。私は鬼殺隊の当主を承っている。産屋敷耀哉だ」
_____なるほど
此の人間は思った以上に静かな心の持ち主らしい。
言うなれば、冷静沈着。物怖じせず現実を見ている。
人間にしては珍しい区分だ。
中々隙を見せない笑みに私も同じ顔を向ける。
「 鬼と名乗った私に笑みを向けるとな 」
「"地獄の"鬼なのだろう？」
「 その言葉を簡単に信じるのか？ 」
「...鬼と聞けば一応なりに警戒はするが、
我々の知る鬼は貴女の様な空気を纏ってはいないよ」
「 ほう。私の纏う空気を視るのか 」
「感覚として感じるだけで視える訳じゃない」
何とも遣りずらい人間だ。
鬼灯とも白澤とも違う頭の良さ。
いや、白澤は大部分が阿呆で出来ているけど。
「そんな地獄の鬼神が何故、此処に？」
「 仕事の虫である息子(仮)が頭を悩ませていてね。
あの子が倒れる前に手を貸そうかとやって来たまでだ 」
「息子がいるんだね」
「 血の繋がりは無くとも、立派な息子だよ 」
「私にも息子や娘がいるんだ。
皆、鬼を倒す為に命を賭ける私の大切な家族」
何をどう生きれば二十を数年過ぎただけの若年が
皆、平等に"子"として愛情を向けられるのか。
人間は不思議だ。よく分からない。
「 私の仕事は元人間である鬼の捜索と滅殺。
そして、その根源を地獄へ連れる事の三つ 」
鬼にも興味がある。
しかし、君という人間にも興味が出た。
「 現世の鬼では無い根拠を示した後、
私を其の刻まで此処へ置いてくれないか？ 」
見てみよう。
不思議な人間とその人間が家族だという者達を。
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まゆゆ(プロフ) - すっごく面白いです! (2021年6月19日 0時) (
レス) id: b7969430ca (このIDを非表示/違反報告)
ゆっくり四つ葉 - ドストライクです。更新頑張ってください！ (2020年9月2日 19時) (レス) id: 135b7cf6d1 (このIDを非表示/違反報告)
光華(プロフ) - 面白いです！更新頑張って下さい！ (2020年8月14日 8時) (レス) id: e4678e2dff (このIDを非表示/違反報告)
青春を返せ(プロフ) - うわああああ！！この作品めっちゃ好きです！続きが気になる〜！更新頑張ってください！応援してます！ (2020年5月18日 17時) (レス) id: f38cd6c1be (このIDを非表示/違反報告)
夜桜 - 頑張って下さい！ 応援してます！ (2020年5月17日 22時) (レス) id: f273bc5d9f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：M子 | 作成日時：2020年5月4日 3時
