青×黄集 [stxxx] (ページ2)

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きっと気のせいなんだろうな、なんて思いながら過ごしていたけれど初盆、一周忌、三回忌、七回忌、十三回忌でここを訪れるたびに声が聞こえて姿が見えて、徐々に自分の中で現実味を帯びてきた

一人暮らしを始めた年、試しに来てみて声をかけると返事が返ってきて、驚きのあまりあのときは腰を抜かしそうになったよね
それから毎年、夏の決まった期間、この場所に来ていた
毎年グループの活動が忙しくなって、るぅとくんに当てられる時間が少なくなってきた
それでも、通い続けている

…るぅとくんが寂しいって言うから

「ころちゃーん、」

「ん…なに？」

「え、なにって…ころちゃん返事してくれないんだもん…」

「え、何か話してた…？」

「そうだよ！もー…」

「くふ、変わんないねるぅとくん」

「…、そりゃそうだよ。僕は僕だし、それに…」

『僕はしんでるんだから』と続けられた
……そうだね、そうだったね

僕にだけ見えているらしいこの半透明のるぅとくんは、何なのかよくわからない
けれど、何だとも言いたくない
大好きな大切な親友を、幽霊だなんて言いたくない、おばけは嫌いだ。

「………もう、…夕日の見える時間か…」

「うん……ここの夕日、きれいでしょ？」

「うん。引っ越してすぐに送ってくれた手紙に書いてたよね、『おうちからきれいな夕日が見えるんだよ』って」

「えぇ、そんなの覚えてないよぉ」

「そっか、……僕もう帰らなきゃ」

「え、？ …もう、帰っちゃうの、？まだ来たばっかじゃん…、まだここにいてよ、」

「…明日も、朝から仕事あってさ、」

「じゃあ……また、来てくれる、？」

「っ……来年、かな…」

「……やぁだっ………ぅ、あしたもきてよ…」

ここから見える夕日が特段綺麗だってことを、教えてくれたのはるぅとくんだった
当の本人は覚えていないと言っていたけれど、目の奥が笑っているということは覚えてるんだろうな