青×黄集 [stxxx] (ページ1)

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ひまわりの咲く頃ページ1

年、決まった週だけ花を咲かせるひまわりがあるという

ひまわりが咲く頃に合わせて毎年夏にだけ訪れる、黒のジーンズを履いた青年がいる

ひまわりの前に立ち少し見上げ、笑ったり、ときには涙をこぼしたり

一輪のひまわりと、その青年のある夏の話。

「……るぅとくん、来たよ」

「………おそいよ、」

栃木県の一角に植えられた一輪のひまわりに声をかける
ふわりと浮かびだす、一人の透けた少年
彼の名は『るぅと』
僕の、幼友達

「ごめんって、今年は特に忙しくてさぁ…」

「それ、毎年言ってるよね。ほんとにそうなの？」

「えー、見てるからわかるくせにぃ」

「えへ、冗談だよぉ。ころちゃん頑張ってるもんね」

「……僕子供扱いされてる？仮にも僕のが年上だからね」

「え〜？そう？僕より背、低かったくせに」

「うぐ、それを言われたら困りますよるぅとさん……」

「ふははww」

「…っくふw」

るぅとくんといると、つい話が弾んでしまう
かわいくて無邪気な笑い声につられて、僕まで笑顔になる

るぅとくんは、僕の親友だった
年は2つ下だけど、好きなことも違ったけど
隣にいると楽しくて、ずっとそばにいるんだってどこかで思っていた
けれど、僕が小4、るぅとくんが小2の夏休みに急に決まった引っ越し
彼の父の事情で、栃木県へ
ショックだったし悲しかった、けれど僕たち子供には何もできなかった

それから3年経った夏のある日、彼の母親から僕宛に手紙が届いた
『るぅとが亡くなりました。るぅとの友達でいてくれてありがとう。るぅとも楽しかったと思います。今週末に葬式をします。ころんくんの予定が合えば来ていいからね』
体の弱い彼だった。
病気に負けて、命を落としてしまった
本当は部活の試合があって行かなきゃいけなかったんだけど、ベンチで待機だったしたくさんの先輩方とプレーができる程うまくも無かったし、部長と顧問に事情を伝えて休ませてもらった

泣いてばかりいた僕、ふとるぅとくんの声が聞こえた気がした
振り向くと自分より高い背丈のひまわりが一輪咲いているだけで、もちろんるぅとくんなどいない。
ああ、僕ついにおかしくなったか、なんて考える中で半透明の彼の姿が見える
『ころちゃん泣かないで！』って励ましてくれる声が聞こえてきて、自然と涙がおさまって