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｢おばちゃん、リンゴ3つちょうだい！｣
｢おやおや、久しぶりだね勇者様｡｣
｢いや、俺は勇者やめたんだ｡｣
王宮から出た、活気ある町。出店の八百屋はよく通う場所。
リンゴを袋に詰めながら、女性は目を丸くした。
｢そうなのかい？あんた、頑張っていたじゃないか｡｣
｢なんか向いてなくてさ。のんびり暮らそうって思ってる｡｣
ありがとう、とリンゴを受け取り、Aは早速齧りついた。シャリシャリと頬張りながら、通りを歩く。
しっかりと舗装された道は、この街の治安のよさを示していた。
｢...ま、当たり前か。魔物も魔族もいないし｡｣
ぼやくAも、しっかりと街の風景に溶け込んでいた。
A·イルキナ。元、勇者。無職。
｢暫くは、バイトでも行くかなぁ｡｣
無職=金のあて無し。稼ぐ方法を頭に浮かべ、2つ目のリンゴに手を伸ばした。
＊＊＊
300年以上前。世界は100ヵ国以上に別れていた。
しかし、突如起きた大災害により、地球上の生命は絶滅の危機に陥った。
その大災害は地形すら変えてしまい、世界は1つの大陸となった。
生き残った人類は、大陸を3つの国に分けた。
｢ハーヤ｣｢ナサミナ｣｢カナリノ｣。国境を作り、当時人類の先導者だった者がそれぞれ王となった。
更に、大災害は恐ろしいものまでつれてきていた。
いつ誕生したのか、誰も知らない。ただ出会えば襲われ、人間を容易く殺していく。
魔族、魔物。そしてそれを統べる魔王という存在を。
＊＊＊
少し大通りを外れ、少し活気と離れた道に入る。
こちらに今、Aが借りているホテルがあるのだ。最も王宮付近に滞在する理由はなくなったため、引き払うつもりだが。
2つ目のリンゴを完食した時。何気なく薄暗い路地に目をやれば。
｢...あり？｣
何か、見える。野犬ではない。人影だ。
｢...うん。路地に座り込む趣味の人もいるさ｡｣
関わりたくない建前。Aは少なくとも、あれに関わりたくない。面倒に巻き込まれるのが見えている。
真っ昼間に何があって路地にいるのか気にはなるが。
...念のため、警備員に連絡しとこ。
と、フード付きジャンパーのポケットに手を伸ばした時だった。
｢...すみ、ま、せん｡｣
｢うぉう？｣
ボロボロの布。見上げてくる瞳。
｢...うん｡｣
あそこにいた人だ。
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BLACKMOON - なるほど、そんな活用が...！ありがとうございます！ (2020年10月8日 6時) (
レス) id: 1bda2ccaaa (このIDを非表示/違反報告)
エイト - ドラクエ主人公の名前でやってみる (2020年10月6日 18時) (レス) id: 89c1acd712 (このIDを非表示/違反報告)
Blackkiller - naナnaさん» 案を使わせて頂きました。どこまでご期待にそえるか分かりませんが、頑張らせて下さい！よろしければ、また来てください、アドバイスよろしくお願いします！ (2020年10月4日 20時) (レス) id: 1bda2ccaaa (このIDを非表示/違反報告)
naナna - 神作者ですか？神作者ですね！私の駄作がこんな神作になるなんて…凄いです！応援してます！ (2020年10月4日 16時) (レス) id: ef598d6828 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Blackiller | 作者ホームページ：http:/
作成日時：2020年9月22日 7時
