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『お疲れ、A』
「お、おおおつかれ、さまで…ございます…」
あの講義の日以降、会うと必ず挨拶をしてくれるようになった先輩
その意図はなんなのか私には分かってないんだけど、この間話を聞いてくれたこんぴ〜は「おもろマジで」ってニヤついていたのを思い出す
心臓が毎回跳ね上がってそろそろ昇天する日も近いんじゃ、って自分で自分のことを心配してしまう
『…A？今日はバンド練見にこないの？』
「え、あ、はい…課題終わらせなきゃ、なので…！」
『ふーん、りょーかい』
何度か名前を呼んでくれていたらしい先輩には申し訳ないけど、これ以上の摂取は限界なので適当な理由をつけてこの場から立ち去る
ヒラヒラと手を振る先輩を横目に適当に図書館にでも向かおうと決める
「…あれ、瑞稀さん！」
「Aじゃん、久しぶり」
道中、先輩の幼なじみで心理学部の瑞稀さんを見かけて後ろから声をかける
基本リモート授業を取っているらしい瑞稀さんをキャンパス内で見かけるのはかなりレアかもしれない
「あれ、今日は嶺亜のとこ行ってないの？」
「うっ…それがですね……」
簡潔に最近の出来事を伝えると少し当たりを見回してから何か企んでるかのようにニヤつく瑞稀さん
こんぴ〜も瑞稀さんもニヤニヤしすぎじゃない？
途端、腰に腕を回されて可愛らしい顔が覗き込むように近づく
先輩とは違う、華奢だけどしっかりした腕に少しだけキュンとしたのは内緒
「へー、もっと話聞かせてよ」
「っ、え…」
「ん？」
さっきとは打って変わってニコッて効果音がつくように笑っている
何なに、急にどうしたの？って頭に疑問符が浮かぶと今度は思わぬ方向から腕を引かれる
勢いが良すぎて身体ごとその人の胸元に飛び込んでいってしまってちょっと痛い
でも、爽やかだけど甘い、特徴的なこの香り…私よく知ってる
『ちょ、っと…何してんの瑞稀』
「んー？嶺亜が弄んでるから俺もーと思っただけだけど？」
『…さいあく』
ちょっとだけ顔を上げると少し息が上がってる先輩が焦ったような顔つきで瑞稀さんを睨んでいる
そんな顔初めてで、ちょっとだけ怖くなる
でもすぐに、行くよ、と腕を引かれてどうしていいか分からなくて黙ってついていく
後ろを振り返ると「お幸せに〜」って手を振ってる瑞稀さんがいて、心の中で助けを求めたけど無意味っぽい…
諦めてどんどん早くなる先輩の後ろ姿を追いかけることにした
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鈴黎(プロフ) - まっちゃさん» コメントいただきありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです！検討しますね💭 (2022年11月7日 0時) (
レス) id: ce9b284c17 (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃ(プロフ) - 初めてコメントします！内村くんのお話展開が気になりすぎて、、、ぜひ長編待ってます、、！(̨̡ ⸝⸝ᐢ.ˬ.ᐢ⸝⸝ )̧̢ (2022年11月4日 14時) (レス) @page19 id: 9e20ae1596 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鈴黎 | 作成日時：2022年10月25日 21時
