青春 (ページ26)

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「すごい綺麗…… 」

大我「キラキラしてんな」

「海って、初めて見た」

大我「 Aの世界ってちっせーな」

「うん。そうみたい」

わたしの手を離すまいと、ぎゅっと握られた手から伝わる大我の温度

まさか追いかけてくるとはおもわなかった。

さゆりんが文恵さんを筆頭にカトレアの人達に抱きしめられてるのを見て気づいた、わたしと彼女の違い
もう無視することなんて出来なくて、その場から逃げ出すように学校を飛び出した

どこまで走ろう。
どこまで行けばわたしは誰にも迷惑をかけずに生きていけるんだろう。
そんなことを考えていたら、急に後ろに傾いた体

「っ…………大我、」

大我「ごめんな、北斗じゃなくて」

「期待、してないから、」

大我「わかりやすすぎ」

ずっと走っていたせいで、突然止まると今までの呼吸じゃ足りなくなって自然と息が上がる
それと同時に胸が苦しくなって、それが走ったせいじゃないってわかったときには目から零れ落ちる涙が止まらなくなってて、どうしようって焦ってたら視界が真っ暗になった。

大我「一人でどうにか出来るとでもおもったの？」

「っなんで、大我にはバレちゃうの、」

大我「なんでだろねー」

トントン、と一定のリズムで背中を優しく叩いてくれたおかげで徐々に安定してきた呼吸

軽く大我の胸元を押し返して顔を見上げれば、いつになく優しい顔をした大我と目が合った

大我「落ち着いた？」

「うん、…………びしょびしょだ」

大我「これ乾くまで隣いろよ」

「ふふ、乾くまででいーの？」

大我「やっぱ生意気だな」

「一緒に、来てくれるんでしょ？」

大我「気持ち、整理ついたらちゃんと帰るって約束する？」

「する」

大我「ん。じゃあAの好きなとこに行こう」

大我の胸元に置いていたわたしの手を自分のに絡ませて、歩幅を合わせながらゆっくりと歩いてくれる

「どうして最近そんなに優しいの？」

大我「最近？ずっと優しいだろ」

「ううん、最近」

大我「うっせー。(笑)俺もちょっとは焦ってんだよ」

「なにに？」

大我「お前が誰かに取られんじゃねーかって」

なんで、そんな真剣な目をしてわたしを見つめるの。