青春 (ページ24)

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小百合「 Aには、わたしの家のことは話したよね？」

「お父さんが許してくれないって話、？」

小百合「そう。運動が好きなのに、お花と茶道しかダメって言われて、毎日泥だらけで帰ってくる弟が羨ましくて。気づいたら男みんな嫌いになっちゃったの」

どこか一点を見つめながらゆっくりと話し始めたさゆりん

小百合「カトレアもすぐやめてやろうとおもったけど、文恵がいた。お嬢様でもこんなに強い女の子がいるんだって。それにAにも出会えた。世の中は広いんだっておもえた」

「じゃあどうして、」

小百合「ついこの前聞いたの、わたしの就職先も結婚相手ももう決まってること」

「え、」

小百合「自分のことなのに勝手に決められて、ミスカトレアだって、なりたくて入賞してるんじゃない。わたしの知らぬ間に全部が決まってくの。キミみたいにわたしをおもってくれる人もいないし」

「何がなんでもわたしに言ってくれれば、！」

小百合「助けられてばっかりは嫌なの！」

「っごめん、」

小百合「こんなつまんない人生なら死んだ方がマシだって、おもうでしょ？」

「あのね、わたし…… 」

自負するように笑ったさゆりんになぜかこの子はわたしと同じなんだってなんとなく感じた

だから本当のことを言おうって決心を固めた時に、地面を叩きつけるゴムの音が響く

その音はさゆりんの前で止まって、今度は頬を叩く音が響いた

文恵「小百合のバカ！小百合がわたしの隣にいなかったら、誰が、誰が……！！」

小百合「文恵、？」

ぎゅっと抱き合う二人を見て、ハッと我に返る

わたしと彼女が、同じはずないか。
ずっと一緒にいる慎太郎にさえ気を遣ってしまうくらいだもん。

「 …………よかったね、さゆりん」

慎太郎「 A、？どこ行くんだよ」

「んー、内緒」

へへっと笑ってみせれば、眉をひそめてわたしの腕を掴む

慎太郎「一人で抱え込むなって言ってんだろ！」

「 ……わたしね、慎太郎のこと大好きだよ」

だからこそ嫌われたくない気持ちはわかるよね？