42話 ページ42
桐「そう言う、白井ちゃんやって、
来るの、早かったな…。」
A「えっ…っとその…。」
思ってもみなかった返しに戸惑っていると、
ふとしたことに気付いた。
A「あれ？桐山さん…。
今…、苗字を呼んで…。」
桐「い…いや……。
お出かけするのに…キミ呼びはあかんやろなぁって…。
あっ、あかんかった？
はまちゃん達がそう呼んでたから、そう呼んだだけで…。」
桐山さんは、いつもの口調から、
後半は慌てたよう早口でそう言う。
それに、出かけることを『お出かけ』って言うの、
言葉で表しにくいけど…なんか、可愛い。
桐山さんは、「出かける」って言うイメージを勝手にしてたよ。
桐「な…、何で笑ってるん？」
あ…、私思わず笑ってた。
さっきから緊張を隠しきれてなかった私は、
今は自然と笑えてるみたい。
逆に桐山さんは、戸惑ってるみたいだけど…。
A「いえ、何でもありません。
嬉しいです！苗字呼んでくださって。
桐山さんだけ、苗字すら呼んでくれなかったんで、
寂しかったですよ。」
桐「っ…。ご、ごめんてぇ…。
べ、別に…そう呼びたくなくて、キミ呼びしたんやなくて…。」
続く桐山さんの言葉は…
『次の○○行きの電車は7時…』
桐「あ！お、お互い早く…来たんやもんな…。
電車、乗るか…。
行きは1番線。」
そう言って桐山さんは、改札に向かって歩き出した。
私も、その背中についていく。
あの時、何を言ってたんだろう。
話をちゃんと聞きたかったけどな…。
虚しくも、駅の構内アナウンスに掻き消された。
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あきおーはま(プロフ) - おずさん» お読み頂きましてありがとうございます！そう言って頂けて嬉しいです。拙い作品ですが、更新頑張りますので、よろしくお願い致します。 (2019年10月10日 20時) (
レス) id: 78e54553dd (このIDを非表示/違反報告)
おず(プロフ) - めちゃくちゃキュンキュンきて癒されます！更新楽しみにしています。 (2019年10月10日 20時) (レス) id: bc6c17b8f8 (このIDを非表示/違反報告)
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