6話 ページ8
エスカレーターから降り部屋に入るとお兄ちゃんの特服が渡される。これからシャワーを浴びるらしいので片付けておけとの事。私は有無を言わず承諾するとお兄ちゃんの部屋に特服をかけた。
私はお兄ちゃんの部屋の匂いが好きである。普段はそんな部屋に入れない為、めいいっぱい深呼吸しておいた。五感のひとつを失っているせいか、それを除いた四感で補おうとする為、味覚が鋭くなったり、はたまた鼻が良くなったりするらしい。そんな事どうでもいいのだが。
あまり長居していると怒られる気がするので、自室へ足を運ぶ。扉を開けると窓からの夜景が美しく見える。私もハンガーに特服をかけると、ベッドへダイブした。重たいため息がでてしまう。
「…なんでなんだろう。」
なんで私は若じゃないんだろう。八戒じゃないんだろう。昔の八戒は今よりもお兄ちゃんに似ているところがあって、そこが好きだったのに。柚葉が甘やかすからあんな風になってしまった。勿論本音を言ってしまえば八戒が羨ましかった点も沢山あるが、私は現状に満足している。所詮無い物ねだり。
「さ、こんなところでグズってても仕方ない。私は隊長代理なんだから！」
無理矢理にでも体を動かさないやっていけない。…嗚呼、だるい。なんだか疲れてきてしまったみたいだ。お風呂に入るのは明日でいい。体温計で己の体温をはかり、そのまま寝た。嫌な夢を見るとも知らずに。
「 A。なんで? 」
…………ごめんなさい。
「 A。なんであんただけ?」
…ごめんなさい。
「 A。なんで御前だけ!殴られねェんだよ!」
ご めﾞんﾞなﾞざ いﾞ！！
─────────
私は…ちょうど8歳ぐらいの頃。父親の顔も、母親の姿も全く知らなかったし、わからなかった。頼れるのは、お兄ちゃんとお姉ちゃん。そして己の体のみ。何をされても怖くなかった。痛くないから。
上級生にだって立ち向かえた。この拳ひとつで1番に立つことが出来た。…私はお兄ちゃんに憧れてた。圧倒的な王者感とその強さに心を奪われていたのだ。
そんなお兄ちゃんからの愛という名の暴力に逆らう必要なんてなかったし、甘んじてそれを受け入れた。
下校中にお兄ちゃんに恨みのあるヤツらが私達3人を襲ってきた日があった事を今でも覚えている。勿論、全員返り討ちにしてやったが、複数人に殴られた私達はボロボロで。大寿お兄ちゃんの顔に泥を塗るに等しい行為であった。
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ユキ - 最新待ってます！ (5月27日 11時) (
レス) id: cab48b93e7 (このIDを非表示/違反報告)
おはよ - ちょー面白かったです 更新してくれると嬉しいです！ (2023年1月13日 21時) (レス) @page15 id: f100e4cf09 (このIDを非表示/違反報告)
ちえ - 1日早いけど大寿君誕生日おめでとう🎶✨😆✨🎶 (2022年7月23日 2時) (レス) id: 0560ab194e (このIDを非表示/違反報告)
豆腐の角(プロフ) - ぽうんどけーきさん» ありがとうございます！貴方様の言葉で書く気になりました…！ゆっくり書いていこうと思うので末永くお待ちください！ (2021年9月15日 20時) (レス) id: 4a7aa84fda (このIDを非表示/違反報告)
ぽうんどけーき(プロフ) - ﾜｱｱｱｱ!!ついに、大寿君の夢小説が...！めっちゃ好きです！！これからも更新頑張ってください(∵)ゝ (2021年9月10日 22時) (レス) id: d8b926fcad (このIDを非表示/違反報告)
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