ただ、あなただけ side Ryo ページ13
事の発端は些細な出来事からだった。
撮影クルーがせわしなく賑わっている午後15:00。
「吉沢さんっ?吉沢さん〜?亮さんっ!もーうどうしちゃったんですか?」
どうして俺はえりさんの甲高い声を聞き続けなきゃいけないんだ。
普段のAちゃんの天使の声だったらなぁ...。
ってやべやべ、俺大丈夫そう?
なんて自分の心配してたら。
えりさんが一言
俺の目をじっくり見つめながら
まるで獲物を捕獲する時みたいな目で
「でもスタッフのAちゃんって実は私の高校時代の後輩なんですよ。あの子は、ねぇ笑。
男に媚売っていつも可愛こぶってて
調子に乗ってたんですあいつ。
おまけに私の彼氏に手を出そうとしてたので締め上げました。
ちょっと痛めつけたり?まあご想像にお任せしますけど。
あいつの性格悪いエピソードでっち上げて拡散させて居場所無くさせて
精神的にも何もかも追い詰めてやりました。
あー、気持ち良かったぁ。
中にはあいつを庇い続けた男もいましたけどね
ブスのくせに笑」
そう言って笑った彼女を見たら
俺の衝動は止められなかった。
_______________________
午後18:00
取材クルーが帰り今は私と店長と菅田くん、流星くんの4人だけ。
そういや、店長えりさんと何を話してたんだろう...?
2人が話してるのをガラス越しで見ていたけど店長の冷めた目、怒りに滲んでいる顔やえりさんの泣き声が聞こえてきた。
えりさんを見るとどうしても過去の出来事がフラッシュバックしてきて目を瞑りたくなる。
だけど、
だけどね。
「ねぇAちゃ〜ん、賢人さんが自分の絵ばっかり自慢してきてウザイんですけど〜
それだから(モテないんですよ)俺を見習ってくださいってっ!」
「お前さぁ、子供だわ。
俺の美的センスがわからないなんて将暉もガキだなぁ。
しょうがないから今度絵とは何かお前に叩き込んでやる
ただAちゃんのデッサンをする権利は永久に俺だけね」
「え、ちょっとそれはあんまりじゃないですか賢人さん。
だったらAさんのオムライスを食べる権利は永久に僕だけのものにしますから」
「はぁ!?流星てめぇ何言ってんだよ」
「ええ!?店長どう思います?俺こないだ帰ってきたばっかりだからまだAちゃんの手料理食べてないのにぃ!」
「流星、もしそれやったら今度から出禁ね♡」
この幸せを私は守りたい。
219人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みつ(プロフ) - 神崎様 いつもコメントありがとうございます。復活いたしました!今後ともよろしくお願いいたします! (2023年3月4日 17時) (レス) id: d1064f0fcb (このIDを非表示/違反報告)
神崎(プロフ) - 報告ありがとうございます!いつでも、待ってます! (2023年3月4日 6時) (レス) id: 570d2293d8 (このIDを非表示/違反報告)
みつ(プロフ) - 神崎様 わぁ!そう言ってくださり本当にありがとうございます!!!とっても嬉しいです。店長の吉沢さんは毎回必ず写真を見てその写真から想像して書いていたりします!昔の話を読み返して加筆修正などもしているのでぜひお時間があったら見てみてください! (2022年8月27日 18時) (レス) id: d1064f0fcb (このIDを非表示/違反報告)
神崎(プロフ) - 面白くて一気に読んでしまいました!店長が一番大好きです! (2022年8月27日 9時) (レス) @page17 id: 570d2293d8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みつ | 作成日時:2021年1月21日 19時