53（慎side） ページ4
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慎side
夕飯の支度をしに階段を降りて行くAを見送ると、大きな客間の端の方に荷物を置いた
樹「広すぎて落ち着かないな...」
翔吾「臣さんが借りてる宿の部屋より少し小さいくらい...？いや、ここは家なんやからそれでもデカすぎるくらいやんな」
樹「そうですね...金持ちだったか」
樹さんがぐるりと部屋を見渡し、小さな声で独り言のように呟くと、翔吾さんが欠かさず拾い上げる
慎「壱馬さん驚かないですよね」
壱「隣に住んどった時もこれくらいやったからな」
翔吾「そうなん！？壱馬んちも金持ちかぁ」
壱「いや、そういう訳ちゃうけど笑」
壱馬さんは、話しながらスマホをモバイルバッテリーに繋げて横に置き、そのまま香りの良い畳に仰向けに寝転んだ
その様子を見ていた翔吾さんも、同じように仰向けに寝転んで、両手を頭の下に持っていった
壱「なぁ、慎さっき何考えてたん？」
目線をこちらに向けてそう言うと、俺は二人の近くに胡座をかいて座る
すると、樹さんも続いて腰を下ろした
壱「Aのお母さんと...Aのこと見て、何か思ったことあるんやろ？」
壱馬さんには何でもお見通しなのか
それとも顔に出てしまう自分の性格か
慎「Aもお母さんも無理してました」
翔吾「...そうなん？」
慎「仲の良い親子に見えましたけど...
いや、仲は良いと思うんですけど
でも、本音がずっと見えなくて、違和感でした」
壱「俺も、なんかそんな気はしててんけど、どうしたらええかわからん」
Aは、お母さんの声が聞きたくて、頑張ったけどどうしても駄目で、家を出てしまった
此処に戻ってきたから、また此処の、辛くなってしまう彼女に戻ってしまった？
...そしたら、Aはまた
見えない所で泣くのだろうか
壱「でも、慎はいつもAを助ける」
慎「.....」
壱「俺達が気付かんことも、
お前なら気付くことが出来んねん」
身体を起こすと、俺の目を真っ直ぐに見つめる
壱「俺らに出来ることあったら言ってな？
きっと、此処に慎が居ること、無駄になんかならへんから。Aのほんまの笑顔、きっとお前なら見ること出来るはずや」
慎「...ありがとうございます」
翔吾「協力すんで」
樹「何でも言ってね」
Aを思ってくれる仲間
そんなAを思う俺を思ってくれる仲間
少しでも、此処に来て良かったと思えるように
Aの事、救ってやりたい
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MAO - とても素敵なお話で、一気に読めました！ (2020年1月11日 22時) (
レス) id: 7e55f29c35 (このIDを非表示/違反報告)
★ - 蘭さん» 楽しみでたまらないです！待ちきれません (2019年8月10日 16時) (レス) id: 772a3fabcd (このIDを非表示/違反報告)
蘭(プロフ) - ★さん» 物語が思い浮かんだら、再び慎君で書かせて頂こうと思っています！楽しみに待っていて下さったら嬉しいです(^^) (2019年7月19日 0時) (レス) id: 9208e0cc5d (このIDを非表示/違反報告)
★ - また慎くんで書いてください！ (2019年7月15日 21時) (レス) id: b78fe88ec4 (このIDを非表示/違反報告)
蘭(プロフ) - shyboyz17mさん» 最後まで読んで下さり、こちらこそありがとうございます！すごく嬉しいです泣 (2019年3月25日 23時) (レス) id: 9208e0cc5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蘭
| 作成日時：2018年9月10日 1時
