皇女伝~黄昏の帝国~ ［オリジナル］ (ページ4)

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003.脱走犯ページ4

トントンっ

「俺だ、失礼する」

この声…

「アルクス兄上様！」

アルクス・ドーラ・アグリウェル。アグリット帝国時期皇帝陛下。王家の長男のお方。

「やぁ、突然済まないね」

「いえ…構いません。兄上なら大歓迎です」

兄上はまるで、

まるで、、、

「………元気にしてたか？アレクシア！ほら、お前の好きなスイーツたくさん用意したぞ！！たくさん食えくえ！！！ああああ、それにしても、今日も可愛いなぁアレクシアは！！！」

「は、はぁ…」

親バカならぬ、兄バカです。

「どうした？元気がないな(1)」

「実はですね、アルクス皇子。また、脱走したんですよこの皇女様は」

「なんだ、またか…」

「ちょ、カイ！」

別に、脱走っていうかただ…
外の世界を見てみたいだけであって、その…

「お前も十分理解できる年頃になっているだろう？危険はやめてくれ、頼む」

「兄上、…私は…っ！」

「プリセンス。貴方はこの国の大事な姫君であられるのです。ワガママは許されませんよ」

「っ…」

いつもそうだ。

いつも、いつも…いつも。

私はずっと永遠に縛られる運命。