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28. ページ30

『伝えちゃダメだろうか。』


そう思ったら伝えるしかないような、


このまま言わなきゃいけないような、


そんな気持ちに陥った。


この気持ちを伝えたら


気まずくなっちゃうはずなのに


今の関係が元に戻らないって分かってるのに、


なんでだろう。


不意に立ち止まった私に


岩泉が振り返った。


今、目を合わせたらこの気持ちが


伝わっちゃいそうで慌てて俯いた。


お願い、岩泉。


置いていっていいから、


今、私の顔見ないで。


好きって想ってるのが


絶対分かっちゃう。


「どうした?」


「あ、えっと、トイレ行く!先戻ってて」


なんて女子らしくない。


なんでもっと可愛い嘘つけないんだろう。


あおいちゃんだったら、


あおいちゃんだったら、


あの子と会ってから


ずっとそればっかり。


あおいちゃんだったら、もっと可愛かったのに


あおいちゃんだったら、もっと女の子らしく


いれたのに


あおいちゃんだったら、


岩泉の隣にいれたのに。


「上里、大丈夫か?」


「え?」


なんで戻ってないの。


どうして追いかけてきたの。


あおいちゃんのとこ行きなよ。


私のとこいたらダメだよ。


「〜っ。」


「おい!どうした!?」


岩泉の優しさが辛くて


涙が出てきた。


「なん、でもないからっ」


「なんでもなくて泣かねーだろ。」


隅っこのベンチに連れてかれた。


さっきのくしゃっとした撫でかたとは違う


あやしてくれるような。


そしたら余計止まらなくて


岩泉の手に甘えていたかった。


「何があった。」


「ほんとに、何も無いの。」


「嘘ついてトイレ行こうとしたりするし、急に泣き出すし、心配になるべや。」


「大丈夫、ちょっと思い出し泣きというか、昨日のドラマが泣けたんだよねー。」


涙が止まったらテンションも


岩泉との距離もいつも通り。


「そんなんで泣くか普通」


「泣くの。」


「上里って変なとこ女っぽいよな。」


「どういう意味」


「や、悪い。普通にごめんなさい。」


二人して笑ったところで、


やっと落ち着いた。


「戻れるか?」


「うん、ありがとう。」


少し前を歩く背中に、


「好き。」


「なんか言ったか?」


「ううん、なんでもない。戻ろ!」


「お、おう。」


やっぱり言わなくてよかった。


この関係の方がいいもの。

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設定タグ:ハイキュー , 岩泉一 , 青葉城西   
作品ジャンル:恋愛
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なつなつき(プロフ) - 暗黒破壊神@さん» ありがとうございます!まだちょっとラスト迷ってるので及川さんもあるかも…?です(笑)頑張ります! (2019年6月7日 7時) (レス) id: 0034c747bb (このIDを非表示/違反報告)
暗黒破壊神@ - ウオウオウオウオ!もう諦めろ!及川と付き合っちゃえ!ww嘘嘘嘘嘘ww更新頑張ってください! (2019年6月6日 22時) (レス) id: bd44181088 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆゆ - 岩ちゃん好き (2019年5月26日 0時) (レス) id: f92ab4040a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なつなつき | 作成日時:2019年4月18日 23時

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