ハグしてください〈ハイキュー短編集〉

澤村大地 ページ8

あ、ちょっとまずいな。


友達と話している彼女の顔が強ばったのがわかる。


絶対拗ねたろ。


「成功した？」


「やりすぎたかもしれない」


「菅原の提案なんか乗らなくてよかったのに」


「スマン、清水ありがとな」


ツンデレのツンが多めな彼女の話をしていたら


何を勘違いしたのかスガが彼女のデレを出そうと。


「嫉妬させんべ！」


そして清水の頭を撫でるに至る。


本気ですまん清水。放課後部活で気まずくなるよな…


「大地どうだった？」


「絶対怒らせた」


「ありゃ、まじか」


「どうしてくれるんだよ…」


放課後になってスガに愚痴っていると


「こんにちはー」


って言いながらやってきたA


俺を見るなり硬い表情で準備をし始めた


「あらら、大地頑張れ」


そう言われたら謝るしかない。


「なぁ「菅原！さっきね先生が…」


「A、「日向ー！今日の」


「い、今大地さん呼んでませんでした？」


「気のせいじゃない？」


結局謝ることすら出来ないまま練習が始まって


何も言えずに練習が終わった。


「今日の大地もAちゃんも怖かった」


「顔に出すぎだべ？」


じゃーなーしっかりやれよ！


と言いながら出ていったスガと旭を見送って、


溜息をつきながら部室の鍵を閉めると


不貞腐れたように立っているA。


「まだ帰ってなかったのか」


「大地、ハグして」


ここ、学校だろ。とか


今日のは誤解だから気にしないでくれとか。


色々言いたかったけど、抱きしめた。


痛がらない程度にきつく。


「悪かった」


「潔子から聞いちゃった。」


「ほんとにスマン。」


「私もごめん。いつも素直じゃなくて。」


「そこが可愛いからいいけど」


抱きしめているから顔は見えないけど、


耳が真っ赤なのが見える。


「だって大地私が冷たいって菅原に言ってたんでしょう？」


「あれは、スガが勘違いして嫉妬させようとか言い出しただけだよ」


「勘違いしたのに乗ったんだ」


「どういう反応するか気になったってのはある。」


「…大好きだからもうしないで。」


…可愛すぎんだろ。


思わず頭にキスを落とすと、


弾かれたように顔上げたA。


「めっちゃ赤いぞ」


「だっ、誰のせいだと思って！」


「帰るか」


「私も日向抱きしめるとかすれば良かったかな」


「それ結構ダメージでかいんだからな」


「仕返しだよ｣

西谷夕→←川西太一 #ぴっぴさんリク

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