木兎光太郎 #2 ページ35
いつもあの子と話してる。
そう考えてしまうのは、
私の心が狭いからなのでしょうか。
休み時間、光太郎のクラスに行く時。
廊下を歩いている時、
そんなにいる？ってくらいに一緒にいるとこを見て。
それなのに光太郎はなんでもないように
私に話しかけてくるから、よくわからない。
嫌な気持ちがぐるぐるして止まらなくて、
考える度胸が痛くて苦しくて、
光太郎と楽しく話せる自信がなくて、
避けるようになった。
暇が合う時どっちかの家に行ったりしてたけど、
空いてる時がない、そう言って。
「A！！｣
避け始めてから2週間。SHRが終わった放課後。
大好きな声は私の耳に届いていたのに。
「A、木兎来てるじゃん」
「いいの」
鞄を持って光太郎がいる入口とは逆の方へ。
腕を掴まれたと思ったら、引っ張られて、
そのまま走り出した。
「は、やすぎだよバカ！」
「あ、悪い」
「なんで来るの？」
「だって最近お前と話せねぇから。」
学校の端っこ。誰も来ない空き教室。
2人きり。心臓が、うるさい。
「光太郎がいつも同じ子と話してるから、それを見るのが嫌で、そう思ってる自分が1番嫌で、だから、」
「嫉妬？」
「そうだよバカ」
自分の汚いとこを言ってすっきりしたけど、
好きな人に知られて勝手に涙が滲む。
「お前めちゃめちゃ可愛いんだけど」
光太郎はすぐそばに居て
久しぶりのその距離がどうしようもなく嬉しい。
「なぁ、抱きしめていい？」
学校でくっつくのは嫌。
付き合ったばかりの時にそう言ったのは私だけど
黙って、光太郎に抱きついた。
「多分、Aが気にしてるってヤツは俺の従兄弟」
「えっ」
「上履きよく見た？学年違かっただろ？」
「うそ」
「俺のとこ来たら自動的に赤葦と話せるから来てる」
見せてもらった写真は確かにあの子で、
あの子は赤葦くんが好きだったのか。
光太郎ばっかり見てて赤葦くんが見えてなかったのか
あの二人が一緒にいない時無いもんなぁ…
「今日部活ないんだけどさ俺ん家来ねぇ？」
「…行く」
上を向いた勢いで光太郎にキスをした。
驚いた顔が笑顔に変わって、
手を引かれて走り出した。
「だから、速い！」
「これくらいいけるだろー？」
「無理！！」
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ゆずは(プロフ) - こんにちは！！お話が素敵で、先程から読みまくっている者です()1つ気になったのが、12ページの最後のセリフ、関西弁だと「〜な顔せんといて！」の方が自然だと思います…！参考になれば嬉しいです！これからも頑張ってください！(？) (2021年12月1日 18時) (
レス) @page12 id: d44be65081 (このIDを非表示/違反報告)
なつなつき(プロフ) - よりんさん» 新しいのを作らないとなのでお時間頂いてしまうと思いますが、お待ちください…！ (2020年12月19日 17時) (レス) id: 299227e86e (このIDを非表示/違反報告)
よりん - 治くんでやってほしいです！！！ (2020年12月18日 23時) (レス) id: e069893faf (このIDを非表示/違反報告)
なつなつき(プロフ) - お話を50話まで埋めたのでここでお礼を言わせてください。沢山の人が見てくださって、リクエストなどもいただけて全部が励みになりました。とても書いてて楽しかったです！本当にありがとうございました。 (2020年12月4日 8時) (レス) id: 299227e86e (このIDを非表示/違反報告)
なつなつき(プロフ) - miohaduki25さん» リクエストありがとうございます！2に載っけると思うので、是非覗いてみてください！ (2020年3月20日 10時) (レス) id: 0034c747bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なつなつき | 作成日時：2019年11月28日 1時
