#木兎光太郎 ページ40
「どうしたの光太郎」
お昼休み、いつもは騒がしい光太郎だけど、
今日は静かだ。
誰も来ないような校舎の端っこの教室。
日当たりが良くて、私がたまに来る場所。
少し秘密基地みたいって思ってたから
誰にも言ってなかったけどあまりに元気がないから
連れてきてしまった。
「ここなら誰も来ないけど」
「Aがたまに昼いない時ってここにいんの？」
「そう」
「俺も来ていい？」
「たまにならね」
元々、一人の時間が欲しくてここに来てるんだ。
普段騒がしい光太郎に来られたら意味が無い。
「で、どうしたの光太郎」
「なんも」
「しょぼくれ？」
「ちげーよ」
「今日ずっと静かじゃん。」
「だってよ…いや、言わねえ。」
「なに？」
口をとがらせて、
そのガタイで似合ってるから嫌になる。
甘やかしたくなっちゃうじゃない、なんて。
「なぁ、ここ座ろ。A前来て。」
体育座りをする光太郎の足の間に座った。
すぐ腕がまわされて抱きしめられる。
「ここ学校だよ」
「誰も来ねーんだろ」
「まあそうだけどさ…」
いつもはいちゃつくのとかやめてって言って
離れるけど、今日は何故かそうする気になれない。
「ねえ、本当にどうしたの？」
「んー」
背中に光太郎の頭が押し付けられてぐりぐりされる
甘えてるようなその仕草も似合っちゃうから罪だ。
「Aが最近どんどん綺麗になってくから、｣
「そう？ありがとう。」
｢だから、俺の隣からいなくなっちまうんじゃねーかって…」
「いなくならないよ。ここにいるじゃん。」
「でもよー」
「むしろ光太郎の方が遠く行っちゃいそうじゃない」
毎日バレーをして、
それ以外目に入ってなくて、
きっともっと強くなって代表とか海外に行っちゃう。
その時、私は隣にいていいのか。
「俺は、バレーはずっと続けたい。それにAとずっと一緒にいたい。」
ストレートな言葉と一緒に、回された腕に力が籠って
どんどん体が暖かくなっていく。
「私も光太郎と一緒にいたいな。」
「なんか、めっちゃ幸せだ…」
「眠いでしょ」
「ここあったけえし、A安心するし…」
「私も今ちょっと眠いかも」
光太郎に体を預けると、
難なく受け止めてくれてその安心感が心地いい。
「光太郎」
「ん？」
「このままサボろ…」
「Aが珍しいな」
上を向いたら優しいキスが降ってきて、
静かに目を閉じた。
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ゆずは(プロフ) - こんにちは！！お話が素敵で、先程から読みまくっている者です()1つ気になったのが、12ページの最後のセリフ、関西弁だと「〜な顔せんといて！」の方が自然だと思います…！参考になれば嬉しいです！これからも頑張ってください！(？) (2021年12月1日 18時) (
レス) @page12 id: d44be65081 (このIDを非表示/違反報告)
なつなつき(プロフ) - よりんさん» 新しいのを作らないとなのでお時間頂いてしまうと思いますが、お待ちください…！ (2020年12月19日 17時) (レス) id: 299227e86e (このIDを非表示/違反報告)
よりん - 治くんでやってほしいです！！！ (2020年12月18日 23時) (レス) id: e069893faf (このIDを非表示/違反報告)
なつなつき(プロフ) - お話を50話まで埋めたのでここでお礼を言わせてください。沢山の人が見てくださって、リクエストなどもいただけて全部が励みになりました。とても書いてて楽しかったです！本当にありがとうございました。 (2020年12月4日 8時) (レス) id: 299227e86e (このIDを非表示/違反報告)
なつなつき(プロフ) - miohaduki25さん» リクエストありがとうございます！2に載っけると思うので、是非覗いてみてください！ (2020年3月20日 10時) (レス) id: 0034c747bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なつなつき | 作成日時：2019年11月28日 1時
