ハグしてください〈ハイキュー短編集〉

夜久衛輔 #2 ページ37

「え、あいつ風邪引いたの？」


「そ、今日休み」


「なんで連絡しねぇんだよ」


「夜っ久んに迷惑かけられない！だって」


「黒尾には連絡したのかよ」


「いや、休みって聞いたから俺が連絡した」


「そーかよ」


今日部活は…ねぇな。


メッセージを飛ばしたら、


元気って言ってたけど嘘だろ。


Aの好きなものと食べやすそうなもの、あと水分


それらを買って急いだ。


マンションの6階。


インターホンを押しても出ないから


ドアを引っ張ったら開いた。


「衛輔だけど、A？」


返事がない、Aの部屋に行くと、


ベッドじゃなくて座ったまま寝てるA


不審者とかはいないし、


病院から帰ってきて力尽きたのか。


「にしても、鍵はかけろばか」


小さく言って落ちてた布団をかけ直した。


「…も、すけ？」


「起きた？」


「なんで？」


「具合悪いんだろ。親は？」


「しごと…」


さっき元気って言ってたくせに、


ってでこぴんすると、


「会いたかったー」


と泣かれた。


「そんな辛いのかよ。とりあえず飲め、そしてベッドに行け。」


「ねっころがると気持ち悪い」


「だから座ってたのか」


冷えピタを変えさせて、熱を測らせて、


げ、38℃もあるじゃん。


「薬は？」


「飲んだ」


「なんか食べるか？」


「もりすけのすることなかったら、となり、いて」


「いてやるから、寝てろ」


手を握ったら、


こっちに抱きついてきた。


熱いなこいつ。


「その体勢辛いだろ。」


「でもくっついてたい」


「くっついてていいからAが1番楽な体勢になって」


「うん…」


落ち着いてからすぐに寝たA。


近くにあった布団を引き寄せて俺ごとくるまった。


「早く元気になれよ」


お前がいないと、調子あがんねぇから。

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