爆豪くんとちび 2 (ページ9)

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「全然、乗り越えられてへんよ。」

「そうなの…？」

「インターン行ったデクくんとか、他にいたヒーローたちの方がもっと悔しいと思ってるはずやから私ばっかり引きずってられないというか…難しいな」

サー・ナイトアイを失って、

通形先輩もデクくんも、サーの事務所のヒーローも

みんな悲しんでるのに笑ってた。

それが悲しいのにかっこよくて、

強い、みんなを守れるヒーローは

こういう人たちなんだなって、思ったから

「だから私も、もう泣かない。」

「そっか。ありがとう話してくれて。私の自己満足になっちゃった」

「そんなことないよ！？」

「お茶子ちゃんに恩返し…というか力になりたくて。ヒーローはみんなをいつも守ってくれるけどヒーローを守ってくれる人はいないのかなって考えてて。」

「そうなんや」

「わ、私なんかがヒーローを守るなんておこがましいんだけどね。あはは…」

誤魔化すように笑うAちゃんに、

そう言われて嬉しかったことを伝えようと思った。

上手く言葉にできない。

「本読んどけば良かったな…」

「いきなり！？」

「こういう時に上手く嬉しいとかありがとうって伝えられないんよ」

Aちゃんがいきなりウチに抱きついて、

「充分伝わった！」

なんて言うから、

爆豪くんに嫉妬してちょっと拗ねてた自分が

馬鹿らしくなった。

爆豪くんより私の方が好かれてるもんね。