爆豪くんとちび (ページ13)

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切島達と別れてから、

いつもより暗い道に入った。

クソ、勉強なんか付き合わなきゃ

遅くなんなかったのによ。

「…てよ」

「や、やだ」

そう微かに聞こえた気がした。

この声どこかで…

『うん。またね』

「クソッ！！」

声のした方に走っていくと、

持田の上に跨った男。

「何してんだコラ！」

個性の使用とかそんなこと頭から全部すっぽ抜けた

吹き飛ばした男は気を失ってるみたいだから

警察呼んで放置しとく。

まだ道路に倒れたままの持田に駆け寄ると

制服が脱がされて肌が見えてた。

思わず目をそらすと

「ば…爆豪くん、ありがとう」

無理した笑顔。

たまたま持ってたジャージを被せて

「助けに来たから安心しろ」

そう言うと、声を抑えながら泣き出した。

「…手、ちょうだい」

「ん」

差し出した手を握って静かに耐えてる持田。

あーアイツぶっ潰してぇ。

まだ伸びてる男の顔面を今すぐ殴りに行きたい。

到着した警察には俺が話した。

手を握ったままの持田は話せる状態じゃなさそーだし

保護者の連絡を聞かれた時

「お母さんには連絡しないでください！！」

急に強い口調で言った持田に警察が心配してた。

「私の家片親だから心配かけたくないんです」

「迎えに来てもらわなくていいのかい？」

「俺が送ります」

「えっ君？」

警察は許してくれた。

荷物を二人分持った俺と

俺のジャージにくるまった持田

まだ手は離れてない。

黙って歩いてると

「ごめんね」

泣いてんのに話さなくていんだよ。

そういうのは恥ずかしいと思う自分がいて

「その顔で帰ったってもっと心配されるぞ」

「あ、どうしよう」

全然別の話を振った。

「くそババアに言ったら嫌か？」

「く、くそババア？」

「あー母親」

「くそババアって呼んでるんだ。」

「どーでもいいだろ」

「言っても平気。」