第24話 ページ25
｢…出久、一旦この話はやめよう。｣
｢…でもっ！｣
｢お願い…だから。｣
出久は私の腕を掴み、離そうとしない。縋るような瞳で、私を見つめていた。話したいと思ってくれるのは嬉しい、でも、今日はもうこれ以上まともに考えられそうになかった。
考えれば考える程浮かぶのは轟くんの顔ばかり。
これ以上話していると、私はどうするべきかのかが本格的にわからなくなってしまいそう。
お互いに黙り込んでいた、そんな時だった。
｢A、何を言い合ってるの？出久と喧嘩なんて、珍しいわね？｣
｢お…母さん…おかえり…｣
｢ただいま、ちょっと買い物に行ってたの。今からご飯作るわね。｣
私に声をかけたのはお母さんだった。
喧嘩かどうか聞いてきたけれど、母は特に気にとめていないのか、リビングへと向かいそのまま料理を始めた。
…良かった、話の内容までは、聞いてなかったみたい。
ホッと胸をなでおろしながら出久を見ると、出久はもう私の腕を掴んでいなかった。けれど、相変わらず私の方を見つめていた。
何かを言いたそうな表情をしていたけれど、何を言いたいのかまではわからない。
｢お母さん、私ご飯の前に先にお風呂入るね。｣
｢そう？わかったわ。｣
その場に留まることも出来ずに、私は席を立つ。
今何を考えてるのか、出久に聞きたくなった気持ちをぐっと抑えて、私はお風呂場へ向かった。
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名取(プロフ) - 漱さん» コメントありがとうございます、作品のことを好きだと言ってもらえてとても嬉しいです。今後も楽しんで貰えるようにコツコツ更新頑張ります！ (2018年6月7日 13時) (
レス) id: 100ff026ee (このIDを非表示/違反報告)
漱(プロフ) - あーーーーすごく好きです！！！！更新頑張ってください！！ (2018年6月6日 23時) (レス) id: a1b019c15f (このIDを非表示/違反報告)
名取(プロフ) - ミクさん» コメントとっても励みになります、本当にありがとうございます。楽しんでもらえるように、これからも更新頑張りますね…！ (2018年6月4日 2時) (レス) id: 100ff026ee (このIDを非表示/違反報告)
ミク - 続きがとても気になります！更新頑張って下さい！ (2018年6月3日 7時) (レス) id: 38ae65cfeb (このIDを非表示/違反報告)
名取(プロフ) - 凜花さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます、コメントとても励みになります、これからも更新コツコツ頑張ります…！ (2018年6月2日 1時) (レス) id: 100ff026ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名取 | 作成日時：2018年6月1日 20時
