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第293話…小話1 ページ43

A視点
















A「……………んぅ…」





私は目を覚まし体を起こす。





辺りを見渡すとそこはどことなく見覚えのある丘の上に立つ大きな木の下にいた。





A「ここは…?私は確か死んだはずじゃ…」
アレン「死んだよ」
A「っ!!」




私は声のする方に振り返る




アレン「200年も待たすなんてひどい妹だな」
A「にい…さん…?」




まだ完全に思い出したわけじゃない…でも私の魂が叫んでいる




A「兄さん……兄さん!!」
アレン「おっと…」




私は地面に座っていた体を立ち上がらせ兄さんに抱きつく




A「兄さん…!兄さん!!」
アレン「………まるで大きな子どもだな…200年も生きたおばあちゃんだろ?」
A「いくら兄さんでも殴りますよ?」




私は拳をグーにして兄さんに見せる




アレン「じょ…冗談だって……」
A「ところでここは天国ですか?」
アレン「んーーーその間かな?」




その間とは?




っと思ったが聞いたら面倒な説明がずらずらと並べられる気がしたのでやめた




アレン「ほらあそこ」




兄さんはそう言って私たちがいる丘の下を指差す




A「あれは…ユウ?」




そう、そこには私の亡骸に泣きつくユウとみんなの姿があった




アレン「あれは現実の様子。ここにいるからこの風景が見えるんだ。天国に行けば次の輪廻に向かうからもう見られなくなる」
A「………あんなに泣いてくれる友がいるのに…私は生きるのを諦めた…いいえ、この200年の人生を終わらせたいと思ってしまった…私は自分勝手な女ね」





落ち込んだ私を見た兄さんは頭を撫でてくれた





アレン「そんなことない。アイツらには悪いがお前がこれ以上生きて苦しい思いをするなんてこともうしなくていいんだよ」
A「兄さん…」





兄さんは私の頭を撫でたまま悪い笑みを浮かべる





アレン「それに…俺的には200年も待ったのにこれ以上待つなんて退屈なことしたくなかったしな♪」
A「………兄さん…」





せっかくいい雰囲気だったのに台無し……




.

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作者名:氷の妖精姫♪ | 作成日時:2022年4月6日 16時

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