砂は3 ページ28
久しぶりに撫でられる感覚は恥ずかしかったが素直に受け取った
(なんか、ほんと、子供だもんなぁ、私)
「さ、て?お前どっかで歩くのか?」
「へ?」
「さっき言ってたろ」
そういえばバルバに許可を貰った気がする
「まあ・・ちょっと会いたい子が居て」
「砂にか?」
「はい」
「ま、いいだろ、夕方までには戻れよ?俺はあいつら、まあ修行でもしてやるか」
面倒そうに言いながらも、顔は少し楽しそうだ
「程々にしてやってくださいよ?」
「わーってるよ」
病室を出ればナグリ達がわっと立ち上がるが、それはすぐに崩れた
「あ、あしが・・っ」
「しびっ・・」
ふむ・・
「ここ?」
「「ああああああ!!!」」
Aは容赦なく2人の足をつつき、悶絶させる
「お、おま、なんてことを」
「楽しいよね、これ」
「ドSだ!ドえ」
「え?なぁに?」
「いやぁあああ!!」
「な、カラモ・・お前ってやつは・・」
「う、うう・・俺絶てぇAに逆らわない・・」
クスクスと笑いながら、Aは立ち上がる
「じゃ、私は用があるから」
ばいばーい、と手を振る
「えぇ!?」
「なんでだよォーー!」
「お前らは俺と----」
3人の声を背に、少し早歩きで病棟を進む
病院を出ると、すぐ金髪の女の子に会った
「あ・・」
「あ」
(テマリじゃん・・)
そこに居たのは砂隠れの長、風影の娘・テマリだった
「出歩って大丈夫なの?」
まだ9歳のテマリは幼く、可愛らしい
「うん、大丈夫、貴方は?」
「・・私はテマリ、風影の娘」
「あ!じゃあ、お腹に1尾がいる子のお姉さん?」
「!?な・・んでそれ」
「聞いたから、でさ、その子に会いたいんだけど」
警戒するテマリ
いくら脅えていても、弟の事だ
そこには姉として、家族としての愛は確かにある
「私、木の葉の人柱力になってる子の姉なの、一緒だね」
「!?」
テマリと我愛羅を探すために歩いていると、テマリが小さく、ねぇ、と言った
「ん?」
「怖く・・ないの?」
「うーん・・そりゃあ出てきたら怖いかもしれないけど・・」
「だったら!」
「でも、それとこれとは別でしょ?」
「別・・」
「そう、私の両親は、九尾、木の葉の尾獣ね、そいつに殺されたの」
「!じゃあその子の両親も」
「ああ、姉って言っても血が繋がってる訳じゃないよ?姉ちゃんって、慕ってくれる子・・でも、あの子の両親も九尾に殺された」
「だったら尚更だろ!なんでそいつに」
「・・・1人は・・寂しいんだよ?」
「!・・そ・・れは」
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作者名:ココロ | 作成日時:2022年7月19日 9時