砂へ4 ページ19
1回目の休憩中ヤキタとAは、ナグリ達がだれている間、離れて話をしていた
「A、お前、うずまきナルトを"知っている"んだな」
「はい」
「それがどう見られるのか、ナグリ達の親も含めて・・・わかった上でだな」
「はい、勿論です」
「・・・何故そこまでする必要がある」
「・・あの子は、全てを背負ってくれた子だから」
その言葉に、ヤキタは無言になる
確かに、その通りだ
狐の恨みは全てナルトに向き、ナルトの周囲には誰もいない
代償は全てナルトの理不尽な重荷となった
「あの子はきっと、里を襲った狐が自分の中にいるとわかった時、沢山悩むでしょう、沢山苦しむでしょう、そして、今までの事をしょうがないと、自分の中に落ち着ける。」
Aは苦しそうに笑った
「あの子は優しいから・・・認めさせるために、火影になると・・・きっとナルトは火影になる。私は少しでも、家族が居て楽しいこと、幸せなこと、あんまり嫌だけど、悲しいことも、一緒に分かち合えるのが家族だと、知っていて欲しい・・あと、鈍感そうだから、親愛と恋愛の違いも、ね？」
くすくすと
笑うAに、ヤキタはため息を着いた。
(本当は、3代目様がやりたかったことだろうけど・・この子は本当に、家族になったんだな・・)
「わかった。俺はお前を全力でサポートする、無理は、するな」
Aは今まで見た中で、1番の笑顔を見せ、返事をした。
「はいっ！」
ヤキタは目の前で真剣に見つめてくる二人を見る
「お前らは、ナルトを見て、どう思った」
「ナルト？いい子だったぜ？」
「ちょっち恥ずかしがり屋だけど、人懐っこいし、良い奴！」
思わず大声が出たカラモが口を抑えてAを見た
すやすやと寝ており、カラモは胸を撫で下ろした
「もし、ナルトが化け物だったら、お前らはどうする？」
ヤキタの言葉に2人は顔を見合わせる
まだ、早かったか・・
「いや、悪い、これは」
「「ナルトはそんな奴じゃない」」
目を見開いて2人を見ると、笑うでもなく、不安げでもなく、ただ、普段通りの顔をしていた
「あんな子が、んな事しねぇ」
「そもそも、そんなんナルトの意思じゃねぇだろ、絶対」
「つか、Aがそれを知らないわけねぇじゃん」
「確かになー、俺もそー思う」
あっけらかんという2人に、ヤキタはほっとするように笑った
(このまま・・笑顔のままでいられればいいが)
「わかった・・・話そう・・」
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作者名：ココロ | 作成日時：2022年7月19日 9時
