砂へ3 ページ18
洞窟内は思ったより広く、周りに罠を貼ってから、少し固くなったおにぎりを食べる
案外歯ごたえがあって腹にたまるものだ
「・・なぁ、Aってなんでナルトの姉ちゃんになろうと思ったんだ？」
「あ！俺もそれ聞きたかった！なんでなんだ！？」
「へ？・・うーん・・守りたいって、思ったから？」
「「守りたい？」」
「そ、ナルトは私と一緒で親がいないの、ナルトは1人で暮らしているから、それを見てて、せめて小さいうちだけでも、守りたい、そばにいて、支えてあげたいって思ったから」
「・・？じゃあナルトの隣に引っ越したのって」
「わざと」
「マジかよ！」
「マジ」
「わっはー！ナルト愛されてんねぇ！」
「可愛くない？私の弟」
「「あれは可愛い」」
「でしょ？でもちょっと心配」
「1人にしちゃうから？」
「それもあるけど、たった2日でも一緒にご飯を食べたり、おはようって言い合って、おかえりって言ってくれる場所をナルトは初めて経験した。」
嬉しそうにご飯を食べ、行ってきますとただいまを繰り返し、行かないでと言わんばかりに、昨日の夜は眠ったまま寝巻きを握っていた
「それが無くなった今、寂しいって気持ちはおっきくなる、それが、心配」
笑顔で言うと3人の顔は歪んでいた
上手く、笑えなかったか・・
「Aは・・いい姉ちゃんだな」
「そうかな・・私がしたいこと押し付けてるんじゃないかなって」
「んな事ねぇ！ナグリの言った通り、いい姉ちゃんだと、俺も思う！」
「俺も」
まさかヤキタまで参戦すると思わず目を見開いた
「お前が素直に、ナルトと向き合ったから、あんなに笑顔で、あんなに泣いたんだ、いい姉ちゃん以外ねぇよ」
「っ・・ん、うん・・」
顔を伏せて頷くと、3つの手が頭に置かれた。
スースーと眠るAを半分囲むように3人は座っていた
「ね、先生」
「ん？」
「ナルトって、なんかあんだろ？」
「・・なんかって？」
ナグリの言葉にぴくりと眉を動かしたヤキタ
カラモも俯いたまま、声を出した
「うちの母ちゃん、言ってた。同じ班の女の子があんな子の姉って本当なのって、なんなら変えてもらうように言うって」
「俺んとこも・・化け物って・・それに、ナルトと一緒に来た時、Aも一瞬だけど、不安そうにしてた」
そう・・か・・とヤキタはAを見た
道中の休憩中、覚悟を聞いた時を思い出しながら
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作者名：ココロ | 作成日時：2022年7月19日 9時
