男子6人でシェアハウス【オリジナル】 (ページ15)

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俺が素直にありがとうなんて言うもんだから驚いた顔してて

「Aの前では、お兄ちゃんやねんなぁ…っ、ｹﾎｯｺﾎｯ！ごめ、任せたｯｺﾞﾎｯ、」

「にぃ、…だっこ…」

「和、大丈夫かよ……お前発作起きる前に吸入しとけば……？」

顔色が悪いままこっちに手を伸ばすAを抱き上げれば、つんと嘔吐物の匂いがして
思ったより吐いてるかもしれない可能性…あるな。尚更病院連れてった方がいいなと確信した。

ずっとAについてて休めなかったからか俺が抱き上げると安心したように息を吐いてそのまま咳き込む和。

俺の声に頷きながらAに聞こえないように口元を抑えて咳をこらえるのを見て念の為市に連絡を入れてると

「にぃ………びょ、いん？」

腕の中にいるAが不安げに見上げてくる。抱き上げる限り熱はなさそうだけど涙目で顔色は悪いまま。

「そうだな… 沢山戻してしんどかっただろお医者さんに見てもらおうな」

あからさま嫌そうに顔を俺の胸に埋めてふるふると首を振る。
それで酔ったのか胸元でぅ、というか細い声がして
「やば、」
咄嗟に布団の上に置かれたままの容器つかみ少し強引にAと俺の胸に容器を突っ込む。

「っおぇ、…っげ、ぇ…」

体が強ばってほぼ水のようなものを吐き出す姿に焦る

「は、っ…ｹﾎｯ、海ちゃん、っ、4回、吐いてる……熱はないっｺﾞﾎｯｺﾎｯ、ｯん、ごめ……任せて、も…い？」

喉元からｷｨｷｨと喘鳴のような呼吸音が聞こえる和がそれだけ言うと部屋を出ていった。

「辛いなぁ…嫌だろうけど病院行こうな…」

「ぅ、っ…んっ……ふぇ、っ」

ぐずりだすAの嘔吐が治まるまで待って保険証と財布、袋とブランケットを持って車に向かう

「びょういん……ゃ……だいじょ、ぶ……」

「大丈夫じゃないだろ……？ほらいくぞ」

ほぼ満タンの水の入ったコップはそれだけ飲めてないってことだし、このまま脱水症状になっても困るし…ノロウイルスだったら早く調べないとメンバーに移るかも。和大丈夫かな…。

Aを宥めながら助手席をなるべく倒してシートベルトだけはつけて病院に向かった。