… ページ23
「灰崎。
雷門に練習試合を申し込め」
「はあ！？」
「耳元ででかく喋るな。
今度こそ潰す」
電話の向こうでは、カチャカチャとキーボードを打ってる音がする。
「灰崎。
雷門の試合が終わったらこの会社をたたもうと思う」
「…そうかよ」
「そのあとは、琥珀とクロを円堂に託してさ、雷門に入学させて…」
「…まて、託すってどういうことだ？」
「オレに子供を育てることは難しかったみたいだ。
厳しく育てすぎて…っても、そこまで厳しくしてこなかったけど、辛いこともたくさんさせたし、それn」
「てめぇはばかかっ！琥珀とクロがお前の今の発言を聞いてみろ！！
てめぇは、そんなちっぽけな覚悟しか持ってなかったのかよ！！」
話を遮った灰崎。
多分あいつと携帯同士じゃなかったら殴られてただろうに。
「…」
「会社をたたみたければたためばいい！！
俺はその覚悟でこの会社に入った！
てめぇが次どこ行こうが構わねぇ！！
俺もその後をついていくだけだからな！！」
「灰崎…」
「…雷門に送った。
今度こそ、サッカーは楽しいものだってあいつらに教えてやれ。いいな。」
「…ありがと、灰崎」
電話を切ろうとしたが、あ。という声が聞こえて耳を傾けた。
「___________雷門から練習試合の申込みが来た
あいつらもやる気だ。」
「…考えてることは同じみたいだね。
いつ？」
「…明日だ」
「ひぇー。」
「一応全員集めとく。
スタメンは誰だ」
「…琥珀と、クロと____________」
「_____________わかった。」
電話を切った。
試合は明日。多分円堂はオレをみんなから離し試合をする予定だったみたいだ。
「…琥珀とクロのためならオレはなんだってできる。」
その刹那、病院の扉が開き入ってきたのは豪炎寺。
「…なんだよ、豪炎寺」
「…どうせお前は無茶をすると思った。
だから俺は、円堂たちを先に帰らせた。
Aと話がしたいから
痛み止めを明後日までの分をもらってきた。
外出届も。
無茶はしてほしくない、だが
お前と楽しいサッカーをできることを祈ってる。
日本代表のときに起きたあの事件はもう今はない
だから安心して楽しいサッカーをしろ。
いいや、いまの雷門のためにも、お前が育ててる琥珀君とクロ君の為にも。」
「…楽しいサッカーってなんだっけ
今の俺にはわからない。だから、俺が教えるんじゃなくて、天馬達に託すことにした。
強くなったんだろうな？あいつらは。」
「ああ。前とは違ってな。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：無色無名作家 | 作成日時：2020年1月6日 0時
