コピーの天才はサッカーを潰すみたいです。 (ページ18)

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動かない人達。ページ18

「…子供がっ、救急車を呼んでくれって、
あんたら大人に頼んでるのにっ、だーれひとり、携帯持つ仕草なんかしなかった。
円堂、お前もだ、お前もっ、はー、っ、我慢しろ。って、何度も、俺に、」

ナイフが刺さってる脇腹を手で固定しながら立ち上がった。
持ち手で引っかかってるから、もっと速く投げられてたら貫通していたかも。と、思うと恐怖でしかない。

「やめて！西蔭！
動かないで！」

「はー、っ、この話はっ、また今度、
自分で運転して向かう、っ、
いくぞ、」

「ああ。
西蔭！君が携帯持ってるから警察呼んでね！」

「はい！野坂さん！」

と、手を後ろにし縛り付け終わった西蔭は警察に通報していた。

「はーっ、今回はっ、誰が炎上するかな、っ
誰がっ、誹謗中傷の嵐にのまれるのか、な…っ、」

「西蔭…」

「おい、テレビを見てる良い子のクソガキ共っ！
てめぇらが怪我しねぇように、おれはっ、サッカーを潰そうとしてんだよっ、
怪我させたらてめぇらの母親がうるせぇからよぉ、オレがサッカーを潰して怪我を防いでやろうってんだよ！おれが！サッカーを潰そうとしてるのは！てめぇら糞ガキ共の親のためなんだよ！」

カメラに顔を近づけ、本音を言った。

サッカーを潰したいのは、子どもたちの怪我を防ぐため。怪我したら文句言われるのは俺達大人。
ぶつかって骨折しても俺達のせい。
よく見てたから骨折だけですんだ。
ギブスするだけで済むんだよ。

「オレには母親も父親もいねぇ！
一人で働いて、近所の人に助けられて生きてきた！
生きがいはサッカーだけだった！そんなサッカーをお前らは認めなかった！だから今こんなことが起きてる！オレは刺されて！？子どもは蹴られて！？挙句の果には警察に出した被害届もあの女の父親の圧力によりなかったことにされて！？え！？
なんなんだ！？俺が何をしたって！？俺が試合中にユニフォームを脱いで代表を抜けた理由知ってるか！？あいつの嫉妬からのいじめに耐えきれなくなってやめてやったんだよ！！
岩花！！！！俺はテメェにセクハラなんかしてねぇ！！嘘つき女が！！父親にも言っとけ！！
私は嘘をついてました、Aなんかにはいじめられてなくて、逆にいじめてました。ってよ！
なあ！どうなんだよ！！」

「……」

「黙ってるってことは認めるんだな！！
お前がしてきたことを！！」

「______ええ」

「くそが。
謝りもしねぇ。どんだけクズなんだよ。」

そう言い捨てた。