ゴリラ、ゴリ押す。【松野千冬】

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｢その、そんな気にしてるとは思ってなかった｣

｢ごめん｣



逆に私が怒ったことを死ぬほど気にしてるとは思ってなかったよ松野。

案外こういうの、しっかりしてるんだ。不良だからって、忘れたフリしないんだな。



｢一発殴っていいから｣


不良らしかった。

……相変わらず気にしてばっかの松野がなんだか面白くて、でも今はそんか場面じゃなくて。

あーアホくさ、悩んでたことがバカみたい。




『私もごめん。手、はねちゃったし』

｢いや別に、こんぐらい何もねぇよ｣

『そ。あー、でも一発いくね。腹で！』

｢よし来い！！｣



力に手を込めて腹を殴る。

ゴチン、と松野のクソ硬い馬鹿みたいな(？)腹筋に、もはや私の手が負けている。




｢パンチ弱！！！｣

『うるさい！！！！！』



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『ということで、私の"キラキラ☆女子力ガチ上げ計画"に協力してもらう訳ですが』

｢名前だっさ。つかどういうわけだよ｣



はい、と私が出したのは可もなく不可もない、まあ普通のクッキー。味も普通。



『一旦お菓子作りしてみた』

｢いーじゃん。いただきまーす｣


当たり前のように食べる松野。私の分残してくれなさそう。まあいいけど。

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