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付き合って1年半。
一緒に住み始めてもうすぐ1年。
出会ってからはもう2年程。
今になって思い返せば、出会ってから彼に惹かれていくまでのスピードが物凄く早かった。
いつのまにか、いなくてはならない存在になって、彼の大切さに気づいて……
自分の気持ちに私が気付くのはいつも遅れて、気付けば彼と一緒だった。
いつも返事がないまま冷たい部屋に消えていくただいまが、
今では笑顔でおかえりって私を迎え入れてくれる家がある。
毛布にくるまって考えたくもない孤独をほんの少し思い返していた私。今は暖かいぬくもりを求めて手を伸ばせば握ってくれる彼がいる。
自分が自分を褒めなきゃ誰にも褒められなかった私。今は何もかもが辛い時によく頑張ったね、って頭を撫でてもらえる。
当たり前みたいに小さな幸せが飛び交う世の中で、懐かしさを感じた孤独からの解放は最も、私を一喜一憂させた。
でもそれも時間が経てばなんでもないように幸せを弄び、澄ました顔をしてしまうようになる。狡い人間。
誰しもがきっとそうだと思う。
自覚していなくてもきっと、幸せを一番最初に感じたあの時から感情は衰えているはずだ。
だけど、それを一度も感じさせなかったのが彼だった。
仮面を付けていただけだ。と言われればそれまでだけれど、私は信じているし、今はそれを追求する必要性もない。
私より年上の彼は私より純粋で素直で、そんなところに惹かれたのも勿論あると思う。
でもやっぱり、年上だからこそなのか、幸せの有難さをよく分かっているのはきっと圧倒的に彼なんだろうな。とも思う。
幸せを当たり前だと感じるようになった私を、幸せを感じる事ができずに苦しんでいた時の私が見ればなんて生意気で狡い女なのだろうかと嫌悪感を抱くはずだ。
それでも彼は私を引き戻してくれた。
無理矢理じゃなくて、だけど時間の流れに適当に任せていただけでもなくて。
人間は愚かだから、そんな過ちを私はこれからも何度だって犯す。
人任せだけど、彼はそんな私をまた引き戻して、いつでも初心に帰してくれるだろうって思えた。
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作者名：ななペコ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Nanapeko71/
作成日時：2019年5月31日 18時
