《BTS》新人発掘課の私、無名練習生を持つ。 (ページ4)

今日:9 hit、昨日:0 hit、合計:135,503 hit

→4 ページ4

.

『降ります』

JK「はい」

事務所の3階。
会議室が隅々まで並ぶ廊下を二人で歩いた。

『こちらになります。おかけになってお待ち下さい』

JK「失礼します。」

二人という人数には大き過ぎる会議室に彼を案内し、私は2階まで降りてオフィスへ書類を取りに行く。

『書類どこだー、どこいったー、』

「どう？どう？あの子どう？」

『なんで先輩いるんですか』

「ドタキャンされちった」

『え"っ』

「いやどぎつい声出すね。」

『ドタキャンとか人として有り得ませんよね。』

「自分の将来にかかってる選択だよ？そりゃあやっぱり直前まで考えたいさ」

『先輩甘過ぎませんか。そんなだから出世出来ないんですよ』

「おいそれ暴言だぞ」

ぶーぶー言う先輩を尻目に、やっと見つけた書類を持ってオフィスを出た。

『あの子がスター？

いやぁ、あの子が？』

エレベーターの中で独り言をぼそぼそ言いながら会議室へ向かうと、誰も居ないのに彼は背をピンと張って私を待っていた。

『すみません、お待たせしました』

JK「いえ、」

『お飲み物お持ちしますね。』

JK「ありがとうございます。」

14歳だという事を疑う礼儀の良さで、逆にこっちが緊張してしまうのは事実。

「あ、Aさん。会議？」

ドリンクコーナーで話し掛けて来た先輩。なんか嫌な予感する。

『はい。』

「なんて子？」

『チョンジョングクです』

「あら、無名の子？
私ジュヨンくん担当なの〜」

勝ち誇ったような顔をして立ち去っていった先輩。自慢する為だけに話しかけて来るなんてホントたち悪い。

『ジュヨンってどこの誰だよ。』

既に何故かジョングクを擁護している私は、
すっかり彼の魅力にハマってしまっているのかもしれない。

.