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男女比率が明らかにおかしい集団が、カラオケ店に入って行く。その中に、場違いな私が一人。
とにかく盛り上がって、カラオケボックス内は外まで声が聞こえる程騒がしく、
クリスマスにこんな時間を過ごすのは初めてだった。
「次どこ行く〜?」
「やっぱ呑むっしょ」
「Aちゃんはどこ行きたいー??」
『…どこでも』
「俺Aちゃんお持ち帰りするわ!」
「はぁー?それはずるいわー」
「Aちゃん俺と寝よー」
「積極的過ぎて笑うんだけどー笑」
ついていけないまま、一人の男は私の腕を掴んで、その間に他の男達は商店街を騒がしく通って去って行く。
『あのっ、私帰りますっ』
「いやいやダメだよ、さっき抵抗しなかったじゃん笑」
口元は笑ってるのに目は笑ってなくて、
私が何度も断っても強い力で圧倒して来る。
「行こ。どうせ彼氏と別れたんでしょ?笑」
『別れてません』
「じゃあなんでこの日に俺と居るのかなぁ〜」
『たまたま予定が合わなかっただけです…』
「同棲してるくせに予定合わなくてクリスマス別々とか初耳だわ笑」
私がネガティブになる言葉ばかり突きつけられて、それでも逃げられない今のこの状況に寒気がする。
「ほらぁ、どうせ断れないんだから。行こ?」
上がった口角とは裏腹に、私の腕を掴む力はどんどん強くなって、抵抗出来ずに歩かされる。
「安心して。お金は持ってきてるんだ。
Aちゃんのこと最初からお持ち帰りする予定だったからね笑」
ユンギが居る私にとって、拷問のように目の当たりにされるホテルを直視出来ない。
俯いたまま反論も抵抗も出来るはず無く、
誘いに乗った事を今更強く後悔した。
今まで過ごしてきたクリスマスは、こんなんじゃなかった。
ユンギとケーキ食べながら、プレゼント交換して、沢山笑って、最後は優しく抱かれながら朝方に眠りについて、幸せだった。
「ほら、入れって。早く自分で歩いてくんない?」
鞄の中の携帯が大きく震え出して、その宛先がユンギだった事に、
もう家に帰って私が居ない事に腹を立ててるんだろうなって、思った。
ごめんなさい。私、約束破っちゃった。
『はい…』
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ななペコ(プロフ) - かんなぎさん» コメント有難うございます!! 嬉しいです!もっともっと愛しちゃってくださいませ…(*´-`) (2021年9月17日 18時) (レス) id: 303b2058dd (このIDを非表示/違反報告)
かんなぎ - 愛してます (2021年9月17日 15時) (レス) id: dbaac0d8ef (このIDを非表示/違反報告)
ななペコ(プロフ) - オモチさん» コメント有難うございます…!わわ!最後までお付き合い頂き有難うございます(泣) (2020年4月21日 1時) (レス) id: 303b2058dd (このIDを非表示/違反報告)
オモチ(プロフ) - 終わっちゃったぁぁぁぁ泣 (2020年4月20日 18時) (レス) id: 5d2badd2bb (このIDを非表示/違反報告)
ななペコ(プロフ) - チョコタピさん» コメント有難うございます(*´-`)こちらこそ最後までお付き合い頂き有難うございました…!(T T) (2020年3月1日 23時) (レス) id: 303b2058dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ななペコ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Nanapeko71/
作成日時:2019年12月8日 20時