ツンデレさんと過ごす夜

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『番組変えてもいい？』


「うん

俺も変えたかった」


『この番組ちょっとつまんないよね』


「な」


私が変えようって言わないから変えるの我慢してたの？
私がもしかしたらこの番組好きで観てるんじゃないかって気遣ってくれてたの？
え、好き。



『どれにする？』


番組表を行ったり来たりしてユンギに聞いてみる。


「お前が観たいやつで」

テレビをまっすぐ観たままぶっきらぼうにそう言ったユンギ。
惚れる。もう惚れてるけど。



『ユンギ急に優しくない？』


「いつも優しいよ俺は」


『え…』


「引くな引くな」


彼は眠いのかな？
いつもみたいに言い返して来ないし言い返して来たとしても心なしか言葉の力が弱い。



『眠いの？』


「眠いな。」


『寝る？』


「気にすんな。お前がテレビ観てるうちに勝手に寝るよ」


『やだ…無防備…』


「変なこと考えやがって」


そう睨むユンギの目はいつもみたいに鋭くない。とろんとしてて柔らかい。

…可愛い。

とか言ったら追い出される。



『風邪引くからちゃんと寝室で寝なよ。』


「そしたらお前がソファで、/『安心して。

眠くなったらちゃんとユンギの隣で寝る』


「俺ソファで寝るわ」


『今の嘘だからー怒らないでよー』


「わかったわかった。早くテレビ観てろよ。眠いんだから寝かせろ」


『はーい。おやすみ』


「おやすみ」



“おやすみ”の声があまりにも優しくて甘くて、今まで全く眠気なんてなかったのに魔法にかかったみたいに急に眠くなってきた。
ユンギはおやすみって言ってから2分もしないうちに静かに寝息を立てて就寝。相当眠かったのかな…

結局意地張って私の言うこと聞かずソファで寝たユンギ。



『んうぅ、』


いくらユンギが細いとはいえ、もうれっきとした男の人なわけだし、意外にも体格しっかりしてて私には到底持ち上げられそうにない。


『ちゃんとベッドで寝て欲しいのに…』


「明日はベッドで寝かせてもらう。お前はソファな。」


『…えっ？！』



まだ起きてたんだ…

ってことは私がユンギを持ち上げようとしてたのに気にせず私に身を任せてたって事？！
嫌がらないんだ…っていうなんとも言えない幸福感。


それに何があっても引かないユンギの気遣いには滅入ったし、

お前はソファな。って、明日も泊まって良いって正式に許してくれたんだよね？！そう解釈して良いんだよね？！





『ほんっと好き…』



私がそう言った時にはユンギはもう寝てた。




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