執念深く這い寄るもの ページ10
Aは困っていた。目の前に立つ一般男子生徒に。
その男子生徒は腕にオクタヴィネル寮の腕章をつけていた。
その男子生徒を仮にモブAと名付けよう。
モブAは前々からAにアタックをしていた。それはもうしつこい程に。Aも断り続けているがモブAは諦めが悪く、何度も何度もアタックを仕掛けてくる。
｢もう、いい加減にして下さい。｣
｢僕は諦めない！！振り向いてくれるまでやめません！！｣
Aは深い溜息をつき、呆れていた、何故こんなにしつこいのかと。
しばらくモブAと話していると遠くからそれを見ていたある人物がやってくる。
｢おい、そこまでにしておけ。｣
｢は？って、ジャミル･バイパーっ！！？｣
｢あ、ジャミル先輩。｣
現れたのはジャミルだった。
モブAの肩を掴むとジャミルはモブAを睨んだ。それでもモブAは諦めまいと抵抗をする。
｢お前には関係ないだろ？！｣
眉間に皺を寄せ、舌打ちをするジャミル。
ひとつ溜息をこぼし口を開く。
｢関係大アリだね、俺はAと付き合っている。｣
｢そんなのうそに決まってる！！｣
｢…。｣
Aは沈黙を貫き、この状況を静かに見ていた。
口を挟めば面倒臭いことになると分かっていたからだ。
｢ふん、証明してやろうか？｣
｢やってみろよ。｣
ちょいちょい、とAを手招きするジャミル。
Aがジャミルの元へ近づくと肩を掴み抱き寄せる形でキスをした。
｢なっ！！！｣
それを見たモブAは大きなショックを受け泣きながら走っていった。
｢ちょ、先輩！！｣
｢いいだろう、君も迷惑してたんだろ？｣
｢そうですけど、そうですけどね？？やり方ってもんがあるでしょう？｣
｢口にはしてないんだからそんなに慌てなくても。｣
そう、キスはしていない。
モブAの視点から見たらしてるふうには見えるが実際は唇の横スレスレだった。
｢助かりましたけど、次はこんなことしないでくださいね。｣
｢はは、心得ておくよ。｣
呆れ顔のAを笑いながらそう言うとジャミルは急に真顔になる。
何かあったのかとジャミルの顔を下から覗くA。
｢君はいろんな人から好かれるな。｣
｢へ？｣
突然そんなこと言われ変な声がでる。
ジャミルはAを見ると優しく微笑んだ。不意にそんなことされたAは顔を赤くし硬直する。
｢ま、俺もその1人なんだが…。｣
赤くなった顔が更に赤くなる。
｢気をつけろよ、俺はさっきの奴より執念深いからな。｣
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りんご飴(プロフ) - どんさん» 申し訳ありません夢主のイメージは読者の皆様がより楽しく読めるようにお任せしたいと考えています。コメントして頂いたのに御要望に添えず申し訳ないです。コメントありがとうございました。 (2021年6月29日 21時) (
レス) id: 3b5b4953e4 (このIDを非表示/違反報告)
どん - 夢主人公のイメージイラストが見てみたいです (2021年6月29日 15時) (レス) id: 9e05ed3410 (このIDを非表示/違反報告)
Lucia(プロフ) - はじめまして。すごく内容も好きで何度も読んでしまいました。おきにいりもさせていただきました！更新たのしみです！ (2021年4月6日 22時) (レス) id: 3da15bbf48 (このIDを非表示/違反報告)
イチゴ飴 - 名前似てますね！ あっとても面白かったです！！ (2021年2月23日 17時) (レス) id: 77a7bd0b14 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りんご飴 | 作成日時：2020年12月25日 1時
